超大判人工大理石を内外装仕上げ材に日本初適用しました
表情豊かな高級感のある内外装デザインを低コストで実現
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、大林組技術研究所(東京都清瀬市)の環境工学実験棟リニューアル工事において、天然大理石と同じような質感・意匠性を有した超大判人工大理石を、内外装仕上げ材として日本で初めて適用しました。
近年、ヨーロッパをはじめとする海外では、超大判(最大1.5m×3m程度)の大理石調セラミックタイルが、意匠性に優れた高級な内外装仕上げ材として適用され始めていますが、セラミックタイルは、部材の厚さを非常に薄く加工できるものの、運搬、施工時や建物使用時の衝撃や曲げ荷重などによってひび割れを生じやすいという問題がありました。
また、天然大理石で同様の超大判仕上げを実現したいというニーズはありますが、天然大理石は酸性雨の影響で変色するため屋外で使用できないことに加え、品質にバラツキがあるため部材の厚さを薄くし軽量化しようとすると強度を確保できないことから、実用化には至っていません。
そこで大林組は、セラミックタイルや天然大理石の代替として、優れた特性を有する超大判人工大理石を内外装仕上げ材に使った壁や床面の施工方法を開発しました。各種性能試験を行い、十分な性能を有していることを確認のうえ、大林組技術研究所環境工学実験棟の外壁、内装の装飾壁および内装床に適用しました。
超大判人工大理石の特長は以下のとおりです。
表情豊かな高級感のあるデザインを低コストで実現します
人工大理石は、超大判(600mm角以上)で、最大で950mm×3,650mmのサイズまで適用可能です。
天然大理石と同じ高級感や存在感のあるデザインを実現するとともに、天然大理石と比べて設置コストを3~5割低減できます。
また、この材料は加工性に優れるため、曲面加工、穴開け加工、切削加工などにより繊細なデザインを自在に表現できます。透光性があるため、光源と組み合わせることでスタイリッシュな壁面デザインを演出することも可能です。
薄厚・軽量で施工性に優れています
天然大理石と比べて比重が小さいうえ、約5倍の曲げ強度を有することから、部材を薄厚・軽量化することができます(天然大理石の約4分の1の重量)。これにより部材を大型化できるだけでなく、搬入や施工にかかる作業効率が大幅に向上することから、工期の短縮にも寄与します。
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技術展示室の超大判床仕上げ
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屋外でも使用できます
人工大理石は、天然の鉱物質を主体に、メタクリル樹脂(※1)を化学的に融合させた無機有機複合材料を用いています。天然大理石は酸性雨に弱く屋外で使用できませんが、主原料であるメタクリル樹脂は、他の樹脂に比べて耐紫外線性に優れており、長期にわたる耐候性を有することから、外装材としても使用できます。
メンテナンス性に優れています
人工大理石は天然大理石と比べて非常に軽く、加工性に優れ、強度、耐水性、耐熱性にも優れていることから、従来から高級なキッチンカウンターや洗面化粧台、テーブルなどに用いられている材料です。耐薬品性にも優れているため汚れが付きにくく、傷がついても簡単な手順で元通りに補修することができます。部分補修が可能で、ひび割れや欠けが発生した場合でも張り替えの必要がありません。
大林組は、天然大理石同等のデザイン性を有し、軽量でありながら、耐久性にも優れた超大判人工大理石を建物の内外装仕上げ材として積極的に活用することで、お客様の要望に幅広く応えるとともに、施工現場の生産性向上にも貢献していきます。
- ※1 メタクリル樹脂 アクリル樹脂の一種。優れた透明性と光沢を持ち、他の樹脂と比較して耐候性が抜群に優れている。強度、硬さ、靭性など機械的性質にも優れていることから、古くから航空機などの風防ガラスとして用いられてきた。無機ガラスの代用品として水族館の巨大水槽などに使用されるほか、熱可塑成形・着色の容易性を活かして、日用雑貨から機器部品まで幅広く用いられている
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報第一課
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