作業員向け安全管理システム「Envital®」のバイタルセンサを刷新、スマホレスになりました

作業員はリストバンドを着けるだけ。手軽に体調管理を実施

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、建設現場や工場などで働く作業員の健康状態と作業場所の環境状況を一元管理し作業員の安全管理を行うシステム「Envital(※1)」について、システムを構成するバイタルセンサの変更、管理機能の改善などシステムを刷新しました。

システム概念図

近年、記録的な猛暑への対策が課題となる中、建設現場では作業員の安全を確保するために、各人の体力や体調、作業内容、作業地点の環境の違いを総合的に管理し最適な対応を取ることが重要となっています。大林組ではこの課題に応えるため、2015年にEnvitalを開発し、2017年度から本格運用を進めてきました。

今回、バイタルセンサを従来のシャツタイプからリストバンド型心拍センサ(以下、リストバンド)に変更するとともに、心拍数(以下、バイタルデータ)を受信しクラウドシステム(以下、クラウド)に送信する中継器(以下、ゲートウェイ)を建設現場に設置することで、通信デバイスとして利用していたスマートフォンを不要としました。また、ゲートウェイを介した位置情報の取得、今までの運用で培ったノウハウを活かした緊急アラート機能の追加など、大幅に利便性と有効性を向上させました。

   

バージョンアップしたEnvitalの特長は以下のとおりです。    

スマホレスによって利便性を向上し、現場内の位置情報も取得

従来は、バイタルデータをクラウドに送信するために、通信デバイスとしてスマートフォンを利用していました。そのため、作業中にスマートフォンを携帯する不便さや、システムへのログイン、ログアウト作業の煩わしさ、および充電・管理作業が作業員や管理者の負担となっていました。

今回、バイタルデータを送信するため自ら到達距離の異なる3種類のビーコン信号(※2)(短:30m、中:100m、長:300m)を連続的に発信するリストバンドを採用しました。

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リストバンド型心拍センサ

現場にはビーコンを受信し、クラウドへ送信するゲートウェイを設置することで、スマートフォンを携帯しなくても、取得したバイタルデータをクラウドに送信することができます。そのため、作業員は作業開始時にリストバンドのスイッチを入れるだけでバイタルデータの取得、送信ができ、利便性が大幅に向上しました。スマートフォンの誤操作や充電切れなどの心配がないうえに、スマートフォンの持ち込みが禁止される工場内の現場でも使用できます。

また、ゲートウェイの位置と、ゲートウェイが受信したビーコン信号が短・中・長のいずれなのかの判定結果によって、信号を発信した作業員が現場のどこにいるのかを把握できます。さらに、環境データを計測する「暑さ指数ウォッチャー®(※3)」をゲートウェイとひも付けておくことで、作業員と近傍の環境データの値が自動でひも付けられます。従来は、作業場所の変更の都度手動で行っていたデータのひも付けが自動で更新されるため、余計な手間をかけずに作業範囲の適切な環境データを利用した体調管理をすることできます。

運用データを活かした緊急アラートを追加

大林組では、これまでに外販を含めて建設現場や工場など延べ40ヵ所にEnvitalを導入し、1,000人以上のバイタルデータを取得してきました。これらのバイタルデータや作業員に実施した体調アンケートを分析し、特定の閾値(しきいち)を超えて一定時間作業をすると体調を崩しかねない、といった事例を知見として多く集積してきました。そこで、独自に設定した生体データと環境データの閾値を超えたときに発信される総合アラートに加えて、その知見を活かし、閾値を超えた状態が一定時間を過ぎた場合には緊急アラート表示および緊急アラートメールを発信する機能を追加しました。これにより、各作業現場において緊急アラートが発信された作業員に対しては速やかに休憩をさせたり、水分や塩分補給を行うなど、よりきめ細やかな対応をとることができます。

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作業員の体調一覧画面

バイタルデータと環境データの収集や解析に当たっては、新たに採用したリストバンドとの親和性ならびに大量のデータに対応でき、かつ機能拡張や他のクラウドとのデータ連携の容易さからNTTコミュニケーションズ株式会社のIoTプラットフォームサービス「Things Cloud®(※4)」を利用しています。

大林組は、大林組基本理念を実践するためESG経営を力強く推進することとしており、「労働安全衛生の確保」を重点課題として掲げています。今後もEnvitalの普及による作業員の体調管理を通じて、現場の安全だけでなく社会的課題の解決にも貢献していきます。

        
  • ※1 Envital
    心拍数(バイタルデータ)をバイタルセンサから、湿度・気温などの環境データを「暑さ指数ウォッチャー」からそれぞれ計測し、クラウド上で管理、分析するシステム。特定の閾値を超えた際には、水分・塩分補給などについて管理者や作業者にアラートを発信する。なお、Envitalは医療機器ではなく、いかなる病気の診察や治療、回復、予防も目的としていない
      
  • ※2 異なる3種類のビーコン信号
    NTT コミュニケーションズが開発した通信方式。複数の異なる到達距離のビーコン信号に心拍情報を含めて送信することで、ビーコン信号を受信するセンサを多数設置しなくても、心拍数の把握と位置の推定をすることが可能。特許5376809号および特開2019-20170他で関連特許出願済
      
  • ※3 暑さ指数ウォッチャー
    大林組が開発した作業現場内の複数箇所の暑さ指数を連続測定し、その情報をクラウド上で一元管理することができるシステム
      
  • ※4 Things Cloud
    NTTコミュニケーションズが提供しているIoTプラットフォームの名称。デバイス接続からデータ収集、可視化、分析、管理などIoTの導入に必要な機能・プロセスを、ノンプログラミングで簡単・短期間に実現できる機能やテンプレートを提供している
    参考:Things Cloud(NTTコミュニケーションズウェブサイト)

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報第一課
TEL 03-5769-1014

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。