次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を行うAPB社へ出資します

大型蓄電池を活用した新たなビジネスモデルの創出に向けた取り組み

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の開発を行うAPB株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:堀江英明)へ出資し、蓄電池を活用した新しいビジネスモデルの創出に取り組みます。

新開発の全樹脂電池モジュール(寸法:約550x400x50mm) 全樹脂電池セル サンプル ©APB Corporation

APB社は、バイポーラ積層型のリチウムイオン電池(※1)である全樹脂電池(All Polymer Battery)の製造および販売を目的とするスタートアップ企業であり、全樹脂電池の開発者である堀江英明氏によって2018年10月に設立され、2019年2月に同氏と共同で開発に取り組んできた三洋化成工業株式会社(本社:京都市東山区、社長:安藤孝夫)による出資を受け入れました。

全樹脂電池は、独自の製造プロセスにより、従来のリチウムイオン電池よりも工程を短縮することで、製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、これまでにない高い異常時信頼性(※2)とエネルギー密度(※3)を実現しています。セルの大型化が可能で形状自由度が高いことも特長です。

大林組のAPB社への出資は、建設会社として初めてのものとなります。今後、全樹脂電池の異常時信頼性の高さやセルの大型化が可能で形状自由度が高いという特長を活かし、新たな方法での建造物への蓄電池の実装、再生可能エネルギーのうち不安定電源とされる太陽光および風力などの安定電源化、スマートシティおよびマイクログリッドへの導入など、ビジネスモデルの創出を検討していきます。

全樹脂電池セルの内部構造(モジュール内部) ©APB Corporation
40枚の電池セルをバイポーラ積層し直列に接続

大林組は、2019年6月に発表した「Obayashi Sustainability Vision 2050」に基づきESG経営を推進しており、今回の取り組みを通じて、目標の一つとして掲げたすべての人を幸福にする価値ある空間・サービスの提供を実現する事業への深化・拡大を推進していきます。

  • ※1 バイポーラ積層型のリチウムイオン電池
    電流が電極と並行に流れる従来型リチウムイオン電池とは異なり、電流が電極の厚み方向と垂直な方向に流れる構造をバイポーラ構造という。全樹脂電池はこの構造をとることで、正極・負極に金属に比べて電気抵抗が高い樹脂集電体を採用することが可能となり、異常時信頼性の向上に貢献している。また、1枚1枚の電池セルをそのまま重ねることで直列に接続できるため、従来型リチウムイオン電池に比べて部品点数の減少や製造プロセスの簡略化にも貢献している
電池構造の比較イメージ

全樹脂電池の単セルおよびモジュールの構成イメージ

  • ※2 異常時信頼性
    異常時における障害や不具合の発生しにくさ。リチウムイオン電池においては短絡、折り曲げ、衝撃、切断など異常事態が発生した場合の発熱・発火事故の起きにくさを表す。
    全樹脂電池は、短絡時に大電流が発生し発火の原因となる金属集電体を使用せず、代わりに抵抗の高い樹脂集電体を利用しているため、短絡発生時も大電流が流れることがなく異常時信頼性が高い
  • ※3 エネルギー密度
    一定の体積もしくは重量当たりで、どれだけのエネルギー量(Wh)を取り出せるかを表す指標。従来型のリチウムイオン電池では、電池セルをモジュールにする過程で、電池間の接続や異常時信頼性確保のために多くの部品やスペースを必要とするが、全樹脂電池は、バイポーラ構造や高い異常時信頼性などにより、それらの部品やスペースを削減可能とし、エネルギー密度を向上させている

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報第一課
お問い合わせフォーム

APB社および全樹脂電池に関するお問い合わせ先
APB社 広報担当
E-Mail contact@apb.co.jp

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。