浸透一体型塗り床工法「アンカープロテクション®」を開発しました
コンクリートに浸透して剥がれない塗り床仕上げを実現
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、アルファ工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:大井川幸彦)と共同で、コンクリートに浸透することで塗り床材の剥離リスクを大幅に低減する、浸透一体型塗り床工法「アンカープロテクション」を開発しました。
物流施設や生産施設において、床面に着色仕上げを施す場合には、一般にセメント一体型塗り床材(※1)やエポキシ樹脂系塗り床材が採用されています。しかし、セメント一体型塗り床材では、粉体の散布量や金ごて押さえのタイミングなど施工が難しく、色むらや変色が発生することがあります。また、エポキシ樹脂系塗り床材は、下地コンクリートの硬化後に施工するため色むらや変色は生じないものの、重量物の落下やフォークリフトの走行などの外力が繰り返し作用することにより、コンクリートと塗り床仕上げ層との界面で剥離が発生するリスクがあり、その対策が求められていました。加えて、一部が剥がれると、そこを起点に剥離が一気に進展するため、これを補修するために施設の動線を変更しなければならなくなるなど大きな問題に発展することもありました。
今回開発したアンカープロテクションは、高浸透性のエポキシ樹脂系塗り床材を使うことで、塗り床材が剥離するリスクを大幅に低減する塗り床工法です。
アンカープロテクションは、大林組西日本ロボティクスセンター整備棟(大阪府枚方市)の安全通路や大型物流施設の床などに適用されています。
アンカープロテクションの主な特長は以下のとおりです。
塗り床材の剥離リスクを大幅に低減します
塗り床材が、硬化したコンクリート表層に浸透することでコンクリートと一体化します。コンクリートと塗り床仕上げ層との間の界面が存在しないため、塗り床材が剥離するリスクが大幅に低減されます。また、コンクリート表面に形成された塗り床仕上げ層は、色むらや変色がなく美しく着色できます。剥離に対する接着強度は、一般的なエポキシ樹脂系塗り床材の3倍であることを実験により確認しています。
耐衝撃性においても、従来の材料より優れた性能を有するため、重量物の落下によるひび割れをきっかけにした剥離が起こるリスクも低減します。さらに、万が一ひび割れなどが起きた場合でも、容易に剥離が進展することがなく、最小限の範囲で補修することが可能です。
耐摩耗性が高く、メンテナンスコストを削減できます
物流施設や生産施設において、特に車両やフォークリフトの走行経路になっている部分では、タイヤによって塗り床仕上げ層が摩耗し、塗り替えまでの期間が短くなることがあります。
アンカープロテクションは、一般的なエポキシ樹脂と同程度の厚みながら、耐摩耗性に優れており、長期間塗り替えることなく利用できるためメンテナンスコストを低減できます。耐摩耗性試験により、従来のエポキシ樹脂系塗り床材の半分程度の摩耗量であることを確認しています。
大林組は、アンカープロテクションを積極的に提案し、物流施設や生産施設などの床仕上げを高品質化することで、お客様のニーズに応えていきます。
なお、アンカープロテクションに使用するエポキシ樹脂系塗り床材はアルファ工業にて販売しています。
- ※1 セメント一体型塗り床材
下地のコンクリートが生乾きの状態の時に、着色した粉体材料を散布し、金ごて押さえにより仕上げる塗り床材
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報第一課
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