3Dまちづくりプラットフォーム「SCIMⓇ」の機能を拡張しました

Tsunashimaサスティナブル・スマートタウンでの実績に基づきユーザビリティを向上

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン(※1)(神奈川県横浜市、以下 綱島SST)で運用している「3Dまちづくりプラットフォーム SCIM(エスシム)」について、新たにスマートフォン対応サイトを開発するなど機能を拡張し、ユーザビリティを向上させました。

HOME画面とサービスメニュー(綱島SST)

サイバー空間とフィジカル空間が融合したSociety5.0(超スマート社会)におけるまちづくりは、人々の生活の質を向上させるため、まちの課題に対して、さまざまなデータを活用し全体の最適化を図りながら解決することが求められています。課題解決に必要な適時・適切なサービスの提供や円滑な合意形成には、共通のデータを用いて認識を統一することが重要であり、そのためのプラットフォームが不可欠です。まちづくりプラットフォームの運用は各地で始まっていますが、リアルタイムに情報を収集しサービスを提供するのではなく、自治体が提供する統計データなど比較的広域で、かつ提供された時点の情報を活用していることが大半です。

大林組が開発したSCIMは、まち全体を3次元の仮想空間上に再現し、現実のまちで収集した環境やエネルギー、人の動きなどのさまざまなリアルタイムデータをひも付けて、分かりやすく提供するまちづくりプラットフォームです。環境や交通情報などのデータは、それぞれをイメージしたアイコンで表示しており、3次元で再現されたまち全体を俯瞰しながら直感的に操作できます。また、データは「見える化」だけでなく、それを見たユーザーの行動に変化を促すサービスにも活用できます。

綱島SSTにおいては2018年からSCIMを運用しており、さまざまなデータの連携活用やサービス事業者との協創により、健康や安全、快適性などの生活の質に関わるタウンサービスを提供しています。今回、これまでの運用実績を踏まえ、スマートフォン対応サイトやプッシュ通知機能、データの外部提供機能などを新たに開発し、さらにユーザビリティの高いプラットフォームへと進化させました。

プッシュ通知サービス(綱島SST)

機能拡張したSCIMの特長は以下のとおりです。

いつでもどこでも直感的に操作が可能

これまでは、タブレットなどでの操作が主でしたが、2020年4月にスマートフォン対応サイトを公開しました。使用環境の選択肢が増したことにより、公開後新規アクセスユーザーは約40%増加しました。

「いま」「ここ」のデータを提供

綱島SSTでは、まちに設置した複数の環境センサーやカメラのデータから、共用通路の通行量、熱中症危険度などはもとより、通行している人の性別や年代、周辺道路の混雑状況などの「いま」「ここ」の情報をリアルタイムに提供しています。今回、プッシュ通知機能を追加することで、ユーザーは道路の混雑状況や熱中症の危険度などの情報をよりタイムリーに取得できるようになりました。自身の健康や安全、快適性につながる行動をとることで生活の質の向上に貢献しています。

カメラ映像
カメラ映像の分析データを活用した周辺道路交通状況サービス
(綱島SST、カメラ映像とデータ分析(実証中)はパナソニック(株)のVieurekaを使用)

外部へのデータ提供機能によりオープンイノベーションを推進

そのまちならではの魅力的なサービスを生み出し、まち全体を活性化しその価値を向上させるためには、よりさまざまな企業や団体と協働していくことが重要です。今回、SCIMで収集したデータを外部へ提供する機能(WebAPI)を追加したことで、新たなサービスの提供やビジネスの創出が可能となりました。また、まち固有の情報を守りながら、国や自治体が推進する都市OS(※2)などと連携する、シームレスなデータ活用サービスの展開もできます。

今後、SCIMはまちのデジタルツイン(※3)としての機能を強化し、シミュレーション・解析技術と連携することで、まちの計画から運用にわたるサービスを拡充していく予定です。

大林組は、綱島SSTで培ったスマートシティの運用ノウハウや、建築・土木事業におけるIoT・AI活用技術を駆使し、SCIMを通じて付加価値の高いまちづくりや地方創生事業を提案、提供してまいります。

  • ※1 Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン
    パナソニックが進めるCRE戦略に基づく次世代都市型スマートシティ
    https://tsunashimaSST.com/JP/
  • ※2 都市OS(オペレーション・システム)
    都市で創出されるさまざまなデータを一元的に統合管理するプラットフォーム
  • ※3 デジタルツイン
    IoTなどを活用して、現実世界の情報をほぼリアルタイムで仮想空間に送り、仮想空間内に現実世界を再現することで高度なシミュレーションを可能とし、現実世界の最適化やトラブル回避に活かすこと

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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