高速道路の低層遮音壁の連続施工を可能にし、車線規制を最小化する「ハイウェイパネラック™」工法を開発しました

施工スピードが7倍となり車線の規制時間を大幅に短縮

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、高速道路の低層遮音壁を短時間で取り付け、車線規制期間を最小化する「ハイウェイパネラック」工法をトヨタ自動車株式会社未来創生センター(所在地:愛知県豊田市)と共同開発しました。遮音壁設置に関わるすべての工程を一台の車両で連続して行うことで取り付け工事のスピードが約7倍となり、車線規制期間を従来の約半分にすることが可能となりました。連続施工を可能とする装置を新たに開発し、当該装置を搭載した車両を用いて、首都高速道路の遮音壁設置工事(※1)において、同工法の有用性と実現性を確認しました。

遮音壁設置状況

従来の遮音壁の設置工事では、遮音壁をトラック車両に積載するためのフォークリフト(収納)、遮音壁などを輸送するためのトラック車両(搬送)、現地で遮音壁を吊り上げるクレーン車両(送り出し)、当該設置箇所に作業員がアクセスするための高所作業車(取り付け)など、各作業工程において複数の工事車両を用いる必要がありました。また、夜間の限られた時間帯や高速道路の規制帯の限られたスペースでの工事となるため、施工時間の短縮、作業員の負担軽減などが大きな課題となっていました。

今回、 開発した「ハイウェイパネラック」工法では、遮音壁の収納、搬送、送り出し、取り付けを一台の車両の荷台上で完結することにより施工時間と作業員の負担軽減の課題を解決することができました。

従来工法と「ハイウェイパネラック」工法の比較

「ハイウェイパネラック」工法の特長は以下のとおりです。

取り付け工事時間の大幅な短縮

遮音壁の収納から取り付け工事までを一台の車両の荷台上で完結することで、道路の遮音壁やフェンスのような付属物や仕上げ材を迅速に取り付けることができます。従来のクレーン車両による取り付け工事では、1ユニット(パネル2枚)を取り付けるのに約30分必要でしたが、本工法では約4分半でできるようになりました。

作業人員の省人化

遮音壁をクレーン車両で吊り上げる従来の工法では6人の作業員が必要でしたが、本工法を用いた車両では、遮音壁を水平移動させて取り付けるため3人で施工が可能です。

作業員の負担軽減

バランサー(※2)を二つ用いて連携を取ることで、遮音壁を水平に保ちながら軽い力で自由に移動することができ、重量物を容易に取り扱えるようになりました。そのため、作業員の負担軽減が実現できました。

大林組は、高速道路のリニューアル工事に向けた技術開発を進めるとともに、交通インフラの長寿命化に貢献していきます。

  • ※1 遮音壁設置工事
    首都高速道路株式会社が公募した「再生可能エネルギーを活用した道路インフラのエネルギープラットフォームの構築に関する研究」(採択:トヨタ自動車)における遮音壁型太陽光パネル設置工事にて、実証機による施工、評価を実施
  • ※2 バランサー
    重量物を無重力に近い状態で移載できる、荷物の移動をサポートする装置

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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