業界初、建築確認申請と構造計算適合性判定を電子申請で同時に実施

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、新型コロナウイルス感染症拡大防止に対応した新しい生活様式への取り組みの一つとして、建築設計プロセスにおける建築確認申請と構造計算適合性判定について、電子署名を付与した電子申請を建設業界として初めて同時に実施しました。電子申請によりテレワークでも対応でき、3密の回避や接触の機会減少など、感染対策を図りながら業務の変革を推進したものです。

従来の建築確認申請は、紙媒体で図書や申請書を作成して対面で提出しており、確認審査や確認済証の交付、副本の保管も紙媒体で行っていました。しかし、2014年に国土交通省から通知された「建築確認手続き等における電子申請の取扱いについて(技術的助言)」(※1)や、日本建築行政会議ICT活用部会から「建築確認検査電子申請等ガイドライン」(※2) が展開されるなど手続きの電子化が進められていました。

今般、大林組は、株式会社日本ERI(以下ERI)、一般財団法人日本建築センター(以下BCJ)と協働で設計図書の電子データアップに必要な要件や法的懸念事項をオンラインによる協議を通じて整理し、電子申請を行う手法を確立しました。

その成果として、2021年1月に着工する(仮称)日本生命新潟ビル新築工事(所在:新潟市中央区)において、ERIに建築確認申請を、また、BCJに構造計算適合性判定を、それぞれ電子申請にて実施しました。建築確認申請と構造計算適合判定で同時に電子申請を実施するのは業界初となります。

新型コロナウイルス感染症拡大防止策として移動や接触の削減とテレワークで行える業務の拡大策を熟考したことにより、時代の要請に適応した手法の確立と働き方が実現できました。

(仮称)日本生命新潟ビル新築工事完成イメージ図

大林組は、今回の取り組みを通じて獲得した知見を活かし、今後の設計案件においても指定確認検査機関との連携を図り、建築確認申請などでの電子申請を活用、推進してまいります。また、設計作業の効率化だけにとどまらず、生産、維持管理の一連のプロセスまでをSBS(Smart BIM Standard)(※3)によりBIMデータで連携し、業務プロセスの変革を行うことで生産性の向上を図ります。

建築確認申請、構造計算適合性の電子申請フロー
  • ※1 建築確認手続き等における電子申請の取扱いについて(技術的助言)
    2014年5月7日付国住指第394号及び2017年12月25日付国住指第3262号で国土交通省住宅局から建築指導課長各都道府県建築行政主務部長宛て通知文「建築確認手続き等における電子申請の取扱い」を明確化する観点から留意点を通知したもので、2017年にはさらに建築確認手続きで利用できる電子署名の電子証明書を求めることが追加された
  • ※2 建築確認検査電子申請等ガイドライン 改訂版
    2014年に一般財団法人建築行政情報センターが公表した「建築確認検査電子申請等ガイドライン」をベースにしつつ、2017年通知が発出されたことなどの状況変化も踏まえて、2018年、日本建築行政会議ICT活用部会が改訂版として公表
  • ※3 SBS(Smart BIM Standard)
    大林組のBIM業務標準で、BIMの一貫利用を前提としプロジェクト。関係者が等しく理解できるBIMモデルをつくるための基準

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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