木材をシート加工で不燃材料とした内装用木質建材「アルファティンバー™」の販売を開始

材料の表面に人気の高い広葉樹の意匠性を取り込め、リサイクルも可能です

プレスリリース

株式会社大林組
株式会社内外テクノス

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)はグループ会社である株式会社内外テクノス(本社:東京都新宿区、社長:矢納正人)と共同で、木材をシート加工で不燃材料とした内装用木質建材アルファティンバーを開発し、販売を開始しました。

木材は、二酸化炭素の貯蔵や排出抑制といった環境負荷低減や森林の保全に加え、その材質が持つ美しさや温かみ、心理面や健康面への影響など多様な効果が得られることから多くの建物で利用されています。一方で、人が多く立ち寄る建築物では、建物の用途や規模に応じて建築基準法に基づく内装制限によって「不燃材料」や「準不燃材料」、「難燃材料」(※1)を用いて内装を仕上げる必要があります。そのため、可燃物である木材は、そのままでは内装材として使用できず、難燃剤を含浸させた不燃木材などが使用されてきました。

しかし、難燃剤を用いた不燃木材は、難燃剤が表面に溶け出し木材表面を白く汚す白華現象が生じることがあります。また、難燃剤を含浸できる木材は細いストローを束ねたような導管を有する針葉樹(スギ、ヒノキなど)に限定され、デザインが画一的になってしまうという課題がありました。

大林組と内外テクノスが開発したアルファティンバーは、基材となる針葉樹に特殊なアルミニウム箔複合シートを貼るだけで不燃木材(大臣認定番号NM-5116-1)として使用できます。加えて、シートの上に家具などで人気が高い広葉樹の天然木シート(ツキ板)を重ねられるため、材料の表面を自由に選択することができます。

アルファティンバーは、内外テクノスを通じて一般に向けて販売を開始しました。

アルファティンバーの制作イメージ

アルファティンバーの特長は以下のとおりです。

貼り付けるだけでさまざまな樹種の採用が可能

難燃剤を注入しないアルファティンバーは白華現象がなく、長期にわたり美観を保つことが可能です。
さらに、従来の不燃木材は針葉樹のみでしたが、アルファティンバーは天然木シートを表面に重ねたうえで表面保護と汚れ防止の塗装をして仕上げるため、人気が高く要望が多い広葉樹も採用できます。

工程が少なく従来の半分以下の工期で製造が可能

従来の不燃木材は、難燃剤を注入してから徐々に乾燥させる必要があり、製造には2~3ヵ月を要しましたが、アルファティンバーの製造には複雑な工程を必要とせず、乾燥工程も不要なため2~3週間で製造が可能です。

環境負荷が低く脱炭素社会の実現に貢献

従来は難燃剤を機械で注入し乾燥させる場合は、その期間が1~2ヵ月に及ぶこともあり、大量の電力などエネルギーを必要としていました。アルファティンバーは難燃剤の注入や長時間の乾燥工程を必要としないため、製造時のエネルギー消費量を削減でき、環境負荷を低減できます。加えて、解体時においては表面のアルミニウム箔複合シートを剥がすことで木材のリサイクルが可能であり、森林資源の循環利用を促進します。

大林組と内外テクノスは、アルファティンバーの普及を通じて、デザイン性に富み、火災に強い安全で安心な木質空間創りと持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献してまいります。

  • ※1 不燃材料、準不燃材料、難燃材料
    防火材料は、国土交通大臣の認定により不燃材料、準不燃材料、難燃材料の3つのグレードに分類される。これらに適合するには、法で定められた燃焼試験において、グレードごとに試験時間「不燃材料20分」「準不燃材料10分」「難燃材料5分」が定められ、次の第1号、第2号、第3号に掲げる要件を満たすことで認定が与えられる
    第1号 燃焼しないものであること。
    第2号 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること。
    第3号 避難上有害な煙又はガスを発生しないものであること。

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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内外テクノス 東京建装事業部
TEL 03-5261-3412

販売に関する問い合わせ
内外テクノス 東京建装事業部
TEL 03-5261-3412

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