南山大学が第30回BELCA賞を受賞

サステナビリティ

赤土色の校舎と豊かな自然が交互に配置されてキャンパスを特徴づける

ロングライフビル推進協会が主催する第30回BELCA賞ベストリフォーム部門で、大林組が2018(平成30)年に改修した「南山大学(G30・G棟・F棟・H棟)」(愛知県名古屋市)が選ばれました。

BELCA賞は、長期にわたる適切な維持保全や優れた改修を実施した建築物を表彰する制度で、わが国のビルのロングライフ化に寄与することを目的としています。ベストリフォーム部門では、長期使用のビジョンを持って飛躍的な価値向上を図った建築物が表彰されています。

南山大学名古屋キャンパスは1964年、建築家アントニン・レーモンド氏の設計により創建されました。2017年からは、キャンパスの教育環境の活性化をめざし、レーモンド建築を継承しながら内外装の改修を実施。安全・利便性向上を進める「レーモンド・リノベーション・プロジェクト」が進められています。

基本設計にあたっては、レーモンド建築の固有性を保つ「保存部分」、意匠性に配慮しながら性能を確保する「保全部分」、所有者などの自由裁量に任せられる「その他の部分」に分け、全棟共通のガイドラインとしました。

キャンパスは、「自然を基本にして」という創建時の設計思想のもと各棟の間には緑地が配置されるなど、自然採光・通風に配慮されています。改修では、意匠的な価値を維持しながら、複層ガラスや全熱交換機による換気設備といった現代の環境配慮技術を導入。建物の省エネルギー化を図りました。

今回の受賞では、既存と新設施設の納まりが確実に計画され、適切に仕上がっていること、全熱交換器の採用や照明の全面LED化によって消費エネルギーの増加を抑え、良好な温熱環境を形成していることなどが評価されました。

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レーモンド自身がデザインした壁画が並ぶG棟。柱・梁を活かした天井高のガラススクリーンを配置し、内部と外部の風景をつないだ
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木の色を活かしたコーディネイトとサイドから差し込む自然光によって、各教室は快適で集中できる環境となった

G30(教室)では、原設計の構造体の梁を見せるデザインを継承しながら耐震補強し、天井の耐震化を実施(撮影すべて:滝田フォトアトリエ)

南山大学(G30・G棟・F棟・H棟)

所在地 愛知県名古屋市昭和区
竣工 1964(昭和39)年
改修 2018(平成30)年
所有 南山大学
改修設計 日本設計、大林組
改修施工 大林組