電気自動車の走行中給電システムに関する技術開発について

スマートシティでの実装をめざして

プレスリリース

関西電力株式会社
株式会社ダイヘン
株式会社大林組

関西電力株式会社、株式会社ダイヘン、株式会社大林組は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が行う「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」において、電気自動車(以下、EV)の走行中給電システムに関する技術開発(以下、本プロジェクト)を提案し、このたび、助成事業に採択されました。

本プロジェクトでは、非接触で給電可能なEVの走行中給電システム(※1)の都市全体へのエネルギーマネジメントシステム(※2)(以下、EMS)の技術開発に取り組みます。走行しながらの給電を可能とすることで、走行距離の延長と充電の利便性の向上をめざすとともに、常にEVと電力系統を接続することで、昼間に余剰となる再生可能エネルギーによる電気の有効活用をめざします。

【エネルギーマネジメントシステムのイメージ図】

バッテリー残量状態を管理しながら、給電指令による制御を行います。また、昼間に再エネ余剰が発生する場合に、余剰発電量をEV走行中給電により最大限有効活用することをめざします。

開発にあたっては、3社に加え、当該分野で最先端の研究を行っている各大学と共に、産学連携の上、取り組みます。さらに、開発成果の普及を促す取り組みを主導する組織・団体として、一般社団法人日本自動車工業会(※3)にも参画いただき、オールジャパンの体制で取り組みます。

今後、EV走行中給電システムおよびEMSの技術開発を進め、ダイヘンの試験場(大分県)において、EMSからの給電制御試験や電磁波などの安全性、給電システムの道路埋設に関する課題抽出を行います。その上でまずは、本技術開発の成果を、大阪・関西万博での実装をめざして積極的に取り組みます。

3社は、大型バッテリー製造時のCO2排出量の増加や再生可能エネルギーの大量導入に伴う余剰電力の問題などの社会的課題の解決に向けて、本技術開発を進め、2050年のゼロカーボン社会の実現に貢献してまいります。

  • ※1 道路に埋め込んだコイルからEVに設置したコイルの間において、電磁誘導の原理で電気を送るもの
  • ※2 EVの車両位置情報や再生可能エネルギーの発電量などの電力需給情報を取得し、走行中給電システムからEV車両への給電制御を行うもの
  • ※3 日本の自動車工業や関連産業の健全な発達や社会課題の解決に寄与することを目的として活動を展開しており、自動車メーカー14社によって構成されている

電気自動車の走行中給電システムに関する技術開発

EV走行中充電システムの技術開発

  • コイル方式の技術開発を行います。
  • コイルから発生する電磁界の周辺への影響評価を行い、システムの安全性を確立します。
  • 道路埋設課題を抽出し、適切な埋設位置検討や道路の耐久性評価を行います。
走行中充電システムの方式例

走行中給電システムが導入された都市(スマートシティ)全体へのエネルギーマネジメントシステムの技術開発

  • EV車両の動態(車両位置情報およびバッテリー状態)管理機能の開発を行います。
  • EV車両の動態情報と再生可能エネルギー発電量等の電力需給情報をもとにした、給電制御機能の開発を行います。

プロジェクトのメンバー

本プロジェクトには、関西電力、ダイヘン、大林組に加え、EV走行中給電システムに関する最先端の研究を行っている東京大学、東京理科大学や、モビリティのエネルギーマネジメントに関する最先端の研究を行っている大阪大学大学院工学研究科に参画いただき、産学連携の上、オールジャパンの体制で取り組みます。

また、開発成果の普及を促す取り組みを主導する組織・団体として一般社団法人日本自動車工業会にも参画いただきます。

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。