福島県の浪江町にて国内初の水素供給ネットワーク最適化に向けた実証運用を開始
水素搬送の効率化とコストの低減による浪江町内での水素需要拡大をめざします
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、福島県双葉郡浪江町にて取り組んでいる「既存の再エネを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」(環境省委託事業)の一環として、水素を複数の拠点に運搬する際の搬送効率向上をめざす1年間の実証運用を開始しました。町内施設への水素供給により、搬送コストの低減効果を検証するとともに、実利用を通じて水素の魅力を伝えることで、需要の喚起と拡大を図ります。
浪江町はゼロカーボンシティ構想を宣言し、浪江町で製造される水素を活用した「水素社会実現の先駆けとなるまちづくり」を推進しています。浪江町では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として、2020年4月から世界最大級の太陽光エネルギーによる水素製造プラント「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」が実証稼働しており、大林組もFH2Rで製造された水素を中心として、ボンベなどでの配送による「既存の再エネを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」(環境省委託事業)に取り組んできました。
今般、水素需要拠点の設備設置工事が完了したことに伴い、FH2Rから「いこいの村なみえ(温浴施設)」「ふれあいセンターなみえ(介護施設)」「復興事業現場事務所」「浪江町役場(公用車用簡易型水素ステーション)」の4ヵ所に水素を運び、電力や給湯、燃料電池自動車の燃料として利用する、水素供給ネットワークの最適化に向けた実証運用を開始しました。
最適化に向けた水素の需給量や搬送状況を遠隔監視する仕組みとして、大分県玖珠郡九重町で開発した水素製造プラント向けエネルギーマネジメントシステム(※1)を機能拡充させた「最適運用管理システム」を構築しました。従来は水素の供給拠点と搬送地点を個別に結び最適化を図っていましたが、「最適運用管理システム」は、供給拠点と複数の施設を連携させた地域全体での最適化を図ります。
各施設の電力や熱需要、水素の残量・圧力を遠隔監視するとともに、搬送トラックの運行状況をGPSにより把握することで、自動で搬送計画を作成、搬送指示を行います。加えて、水素需要状況を水素製造プラントにフィードバックすることも可能で、搬送を通じた水素サプライチェーン全体の効率化にも貢献します。
国内では初めて、エネルギーマネジメントシステムを用いて水素供給ネットワークを最適化する実証運用です。
2022年4月10日に開催された「第3回なみえ水素まつり」の一環として、実証運用開始セレモニーが執り行われ、「最適運用管理システム」を始動しました。本事業は、今後1年間にわたり実証運用を行い、搬送費用削減効果を検証していきます。
大林組は、今後「最適運用管理システム」を地域のインフラとして構築することで、水素サプライチェーンの拡大、水素利用の普及をめざします。また、大分県玖珠郡九重町およびニュージーランドで取り組むグリーン水素の製造、輸送、貯蔵および供給のサプライチェーン構築にもこのシステムを活用することで、脱炭素社会の実現に貢献します。
事業概要
事業名称 | 既存の再エネを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業 | ||
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事業期間 | 2020年度~2022年度 | ||
委託者 | 環境省 | ||
協力者 | 浪江町 | ||
実施内容 |
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水素消費地 | いこいの村なみえ(宿泊温浴施設):電力・給湯に使用 ふれあいセンターなみえ(介護施設):電力・給湯に使用 復興事業現場事務所:電力に使用 浪江町役場:燃料電池車に使用 |
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システム開発 | 株式会社大林組、三國機械工業株式会社、横河ソリューションサービス株式会社、株式会社ゼンリンデータコム |
- ※1 エネルギーマネジメントシステム
水素搬送車両に装着したGPS端末から搬送状況を把握し、車両の発着スケジュールに合わせてプラントを停止せずに効率よく連続運転できる制御システム
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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