金属箔複合シートによる不燃化LIMEX製天井材を共同開発しました
軽量で環境に優しくマテリアルリサイクルも可能
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)と株式会社TBM(本社:東京都千代田区、社長:山﨑敦義)は共同で、大林組が開発した金属箔複合シートによる不燃化技術とTBMが開発した石灰石を主原料とした素材LIMEX(ライメックス)(※1)を利用した天井材を開発し、国土交通大臣が定める不燃材料認定を取得しました。
建物の天井は、用途や規模に応じて建築基準法に基づく「不燃材料」や「準不燃材料」(※2)を用いる必要があります。そのため、多くの天井には金属パネルや石膏ボードが使用されていますが、これらの天井材は重く、震災時などの落下による被害が想定されるため、東日本大震災以降、安全・安心な天井材へのニーズが高まっています。
そこで大林組とTBMは、LIMEXを3層中空ハニカム構造に成形加工した軽量な中空シートの表面に、不燃材料である金属箔複合シートを貼ることで、不燃化LIMEX製天井材を開発しました。
現在、大林組は熊本県熊本市中央区で、同区内初の免震構造を有した賃貸オフィスビル「日本生命熊本ビル」を建設しています。同ビルは地域防災の観点から、エントランス空間を施設利用者の帰宅困難者一時滞在スペースとして利用する計画のため、天井材として安全・安心に配慮した本製品を採用しました。
不燃化LIMEX製天井材の特長は以下のとおりです。
国土交通大臣が定める不燃材料認定を取得
基材に用いたLIMEX製中空シートは可燃物です。そのため、金属箔複合シートをその表面に貼ることで、国土交通省が定める不燃材料に適合しました。また、今後はデザインの幅を広げるため、塗装を施した製品でも認定取得の予定です。
マテリアルリサイクルも可能なエコ建材
LIMEXは、従来のプラスチックと比較して製造時のCO2排出量を削減でき、低炭素化に資する素材です。不燃化のために表面に貼った金属箔複合シートは、剥がすだけで基材と分離できるため、LIMEXとしてのマテリアルリサイクルも可能となります。また、実証実験で再生品の品質も確認済みなので、サーキュラーエコノミー(※3)の実現にも資するエコ建材です。
軽量化により震災時の安全性向上
不燃化LIMEX製天井材の重量は約1,450g/m²であり、一般的なアルミ天井パネルの半分以下です。取り付け用天井金物を含めても2,000g/m²以下となるようシステム設計されているため、特定天井(※4)の扱いから除外され、震災時の安全性向上と施工コストの低減に貢献します。
大林組は、今後も災害に強い安全・安心な建設物を提供するとともに、地球環境保全に資する新たな建材の開発を続け、低炭素社会の実現に貢献していきます。
- ※1 LIMEX(ライメックス) https://tb-m.com/limex/about(TBMウェブサイト)
LIMEXは、炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む、無機フィラー分散系の複合素材。LIMEXは、石灰石を主原料にプラスチックや紙の代替製品に成形し、使用後はリサイクルが可能。
プラスチックや紙を製造する際に使用する石油や水、森林資源等枯渇リスクの高い資源の保全に貢献することが可能。また、ライフサイクルアセスメント(LCA)という科学的分析手法を用いて、製品の原材料調達から生産、流通、使用、廃棄に至るまでのライフサイクルにおける環境影響を算定し、素材開発に活用 - ※2 不燃材料、準不燃材料、難燃材料
防火材料は、国土交通大臣の認定により不燃材料、準不燃材料、難燃材料の3つのグレードに分類される。これらに適合するには、法で定められた燃焼試験において、グレードごとの試験時間が「不燃材料20分」「準不燃材料10分」「難燃材料5分」と定められ、次の第1号、第2号、第3号に掲げる要件を満たすことで認定が与えられる
第1号 燃焼しないものであること
第2号 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること
第3号 避難上有害な煙またはガスを発生しないものであること - ※3 サーキュラーエコノミー(循環経済)
従来の3Rの取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化などを通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止などをめざすもの - ※4 特定天井
「脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井」のこと。吊り天井であって、次のいずれにも該当するもの
・居室、廊下その他の人が日常立ち入る場所に設けられるもの
・高さ6mを超える天井の部分で面積200m²を超えるものを含むもの
・天井面構成部等の単位面積質量が2,000g/m²を超えるもの
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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