渋滞防止に貢献する工事車両管理支援システム「FUTRAL®(フュートラル)」を開発

工事車両の入退場予定や通行ルートの可視化により周辺環境の保全と現場作業の円滑化に貢献します

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、大規模開発プロジェクトにおいて、工事車両の建設現場への入退場予定や走行記録を可視化し、渋滞の防止や現場作業の円滑化に貢献する工事車両管理支援システム「FUTRAL」を開発しました。

建設現場では、資機材を運搬する多量の工事車両が日々入退場します。特に大規模開発プロジェクトでは1日当たり数千台に及び、周辺道路の渋滞につながるだけでなく、近隣の通行禁止エリアを誤って走行してしまうなど、周辺環境に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、工事管理者は、特定の時間に工事車両の入退場が偏らないように調整し、通行ルートの順守を徹底するように指導しますが、大規模開発プロジェクトでは、区域内に複数の建設現場が近接して稼働しているため、現場間での調整が必要となり、時間と手間がかかります。また、通行禁止エリアを通行した工事車両がどの建設現場に所属するかを確認することが困難である、といった課題もあります。

そこで大林組は、複数の建設現場の入退場予定や交通情報、工事車両の位置や走行記録などをダッシュボードで一元的に確認できる工事車両管理支援システム「FUTRAL」を開発しました。「FUTRAL」は、市販のシステム上で行う、工事車両の入退場予約、位置や移動状況の把握、メッセージの送受信などのデータをダッシュボード上で集約・加工することで、工事車両管理に必要な情報を表示します。工事管理者は、「FUTRAL」を通じて複数現場の入退場予定を確認しながら、通行ルートごとに渋滞発生を回避するための調整や指示ができます。また、複数の施工会社で一つのプロジェクトを管理する場合は、入退場予定に関するデータを、各社のシステムから必要な項目を出力することで連携が可能です。

大林組は2021年10月~12月に大阪府此花区夢洲内の2つの建設現場で工事車両の入退場予定や通行ルートの確認を行い、工事車両管理における「FUTRAL」の有用性を実証しました。

今回開発した「FUTRAL」の特長は以下のとおりです。

複数工事現場における工事車両の入退場予定を統合し、大規模開発プロジェクトの周辺渋滞を予防

交通量調査や交通分析をもとに、通行ルートにおける一般車両の交通量と渋滞警戒ライン(上限台数)をあらかじめ「FUTRAL」に設定しておきます。そこに、予約システムを通して、翌日以降の入退場予定の時間と台数を入力することで、ダッシュボードに時間単位で交通量予測が積み上げ表示されます。工事管理者は時間帯ごとに渋滞警戒ラインを超えているかを一目で把握でき、関係者と交通量を調整することで、通行ルートの渋滞を予防します。

管理ダッシュボードの表示例(2現場の情報を統合)

リアルタイムで建設現場周辺の渋滞状況や事故などの情報を共有し、臨機応変に対応可能

「FUTRAL」は、現場周辺道路の交通情報をリアルタイムでダッシュボードに表示し、ドライバーや工事管理者はメッセージを送受信できます。そのため、工事管理者は交通情報を参照しながら、通行ルートの変更などを臨機応変に指示します。加えて、周辺に工事車両の一時待機場所を設置できる場合は、建設現場内の混雑状況を勘案して待機指示を出すといった対応を図ります。

工事車両の動態管理による周辺環境保全と現場作業の円滑化

「FUTRAL」は、スマートフォンのGNSS情報に基づく位置情報を確認できるため、あらかじめ通行禁止エリアを指定しておくことで、通行禁止エリアへの侵入を自動的に検知して、運行履歴を記録するとともにドライバーにメッセージを送信できます。これにより、予定時間を大幅に逸脱する工事車両の入場や、誤った通行ルートへの侵入をすぐに是正指導できるため、周辺環境の保全にも貢献します。また、建設現場で資機材の到着を待つ作業員にとっても、工事車両の遅延状況を確認できるため、タイムリーな荷受けができ、現場作業の円滑化に貢献します。

工事車両の走行履歴確認画面

大林組は、今後「FUTRAL」を積極的に活用し、大規模開発プロジェクトにおいて工事車両を適切にコントロールすることで、周辺環境の保全や建設現場の生産性向上をめざします。また、「FUTRAL」により蓄積した交通データを分析することで、渋滞予測や交通制御の仕組みを構築し、建設の先にあるスマートシティの運営まで一貫して活かせるよう、関係者との連携・協力を進めます。

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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