南海トラフ巨大地震を想定した震災訓練を実施
就業時間外の発災を想定した初動対応および拠点間連携の確認と課題抽出を行いました
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サステナビリティ
大林組は、5月24日に、「南海トラフ巨大地震」により東海、近畿、山陽、四国、九州地方で最大震度7を観測し、沿岸部で大津波が発生するなど、広範囲に甚大な被害が発生したことを想定した全店連携震災訓練を実施しました。
今回の訓練は、安否確認や津波による浸水を想定した避難訓練の実施者を含め、大林グループ17社の国内全事業所の役職員約1万6,000人(社外協力スタッフを含む)と協力会社約1万9,000人を合わせた3万5,000人が参加しました。
実施した主な訓練事項
今回の訓練では、地震の発生は就業時間外の午前7時と想定し、大阪本店、名古屋支店、広島支店、四国支店が、被災店として対策本部の設置および被害状況の把握などの初動対応訓練を実施しました。また、本社(東京都港区)を含む被災店以外の本支店は、支援店として被災店からの情報に基づいた支援訓練を実施しました。
被災店所在地域における社会インフラには甚大な被害が発生し、情報共有の要となるインターネットが使用できないという想定で、各拠点は対策本部を設置し、従業員の安否や工事事務所・物流拠点などの被害および稼働状況を確認し、速やかに全店に情報共有する訓練を行いました。
また、訓練当日に先立って、顧客からの要請に基づく支援訓練などさまざまな訓練を実施しました。
被災店および支援店の初動対応訓練
被災店では、発災後、速やかに現地対策本部を設置し、電力やインターネットなどが利用できない状況で、非常用通信機器を用いて被害状況や支援要請を本社に設置した災害対策本部に報告しました。
支援店では、災害対策本部から共有された被災店からの支援要請に基づいて、被災店の従業員の安否確認、工事事務所・協力会社の被害状況確認などを行いました。
全店震災対策会議による拠点間連携訓練
災害発生直後3時間を想定し、各拠点の体制、工事事務所・物流拠点などの被害および稼働状況、ならびに顧客などへの連絡体制を共有するための震災対策会議を実施しました。
被災店は、インターネットが使用できない想定のため非常用通信機器を用いて会議に参加し、各拠点の状況報告を行いました。
会議では、被災店と支援店の間で初動対応に必要な被災店の体制や復旧に必要な支援要員・物資の流れなどの情報を速やかに共有するための拠点間連携訓練を実施しました。
物流拠点における支援物資の調達・輸送訓練
災害時の物流拠点となる東日本ロボティクスセンター(埼玉県川越市)、西日本ロボティクスセンター(大阪府枚方市)などが広域レンタル会社と共同して、支援要請物資の調達訓練を行いました。
また、調達した支援物資を速やかに被災地へ輸送するための交通手段や輸送ルートの検討および輸送訓練を運送会社と連携し、実施しました。
津波による浸水を想定した避難訓練など
支店や工事事務所などにおいて、ハザードマップを活用して、災害リスクを確認しました。津波による浸水想定エリアに所在する事業所では、大林組職員だけでなく作業員も含めた避難訓練を実施しました。
また、全従業員一人ひとりがハザードマップなどを活用して、平時から行うこととしている「居住地や勤務地の災害リスク」と「家族との避難場所や待ち合わせ場所」の確認を今回訓練で改めて実施しました。
グループ会社との連携訓練
大林組開発事業本部と大林新星和不動産は、所管するすべての不動産において被災状況報告訓練を実施し、緊急時の連絡体制の確認を行いました。
大林新星和不動産が東京都港区に所有するオフィスビルoak港南品川では、港区と災害時の対応について協定を締結し、ビル内部に区の防災倉庫を設置するほか、災害発生時に一時避難施設として施設の一部を提供することを取り決めています。また、ビル独自でも食料などの追加備蓄品を用意することで、災害発生時には速やかに地域に貢献できる体制を整備しています。
そのほかのグループ会社でも、各社のBCPに基づき大林組と連携して震災訓練を実施しました。
課題と対応策の共有を目的とした総括会議
震災訓練後の6月7日には全店震災訓練総括会議を実施し、各拠点やグループ会社から震災訓練での課題やその対応策の報告が行われ、災害対策本部長である社長の蓮輪が総括しました。
今回の震災訓練を通じて明らかになった課題については、PDCAサイクルを適切に回すことで、大林グループのBCPのさらなる改善に取り組んでいきます。
大林グループは、今後も建設業の使命として、また企業市民として地域、社会に貢献するため、経営資源を有効に活用して災害に対する備えと復旧・復興に取り組んでいきます。