技術研究所の新守衛所に「ガラス制振壁」を適用

ガラスを多用した実際の建物で制振効果を確認しました

技術・ソリューション

大林組は、ガラスを用いた制振システム「ガラス制振壁」を大林組技術研究所の新守衛所の建設に導入しました。従来、構造体として使用されなかったガラスを建物の耐震に使用するまったく新しいタイプの耐震・制振壁で、外観の意匠性を確保したまま建物の耐震性を高められます。

今回、新守衛所においてガラス制振壁の振動実験を行い、建物の「揺れの大きさ」と「揺れが収まる時間」をそれぞれ半分以下に抑えることを確認しました。
 

大林組技術研究所守衛所のガラス制振壁

大林組技術研究所の新守衛所

■ガラス制振壁の仕組み

ガラスの周囲にエネルギーを吸収する粘弾性体を貼り付けることで、地震や強風時の建物の変形を吸収するダンパーとして機能します。ガラスの開放性と意匠性を保ちながら安全性を向上させる制振システムです。

ガラス制振壁の仕組み

■実機による振動実験

新守衛所の天井に加振器を設置し、ガラス制振壁の適用前と後に建物を前後・左右の2方向をそれぞれ強制的に加振し測定しました。

実験結果

建物の剛性が高まり、ピーク時の揺れ幅が約50%に低減しています

実験結果(減衰性能の変化)

加振器により加振した後の揺れの収まり具合を表示。半分以下の時間で収まっていることがわかります

ガラス制振壁は、多くのガラス面を用いる店舗のショーウインドウや美術館、住宅室内の間仕切りなど、耐震・制振補強する建築物の設計の自由度を広げます。大林組は、これからもさまざまな免震・制振技術で暮らしの安全を提案していまいります。