第12回日本免震構造協会賞において、超高層建物用の制振構造システム「デュアル・フレーム・システム」と、地震でも揺れないビルをめざした技術研究所本館テクノステーションが受賞しました。
日本免震構造協会賞は、免震構造等の進歩と普及発展に貢献した個人や団体等を表彰するものです。
技術賞(奨励賞)
二重構造による連結制振構造「デュアル・フレーム・システム」の超高層RC造建物への展開
一つの建物の中に固さの異なる二つの構造体を造り、揺れ方の違いを利用して、連結部分のオイルダンパーで揺れを吸収するシステムです。完成した建物2件、現在建設中の建物5件に採用しています。
作品賞
大林組技術研究所新本館(スーパーアクティブ制震構造)
スーパーアクティブ制震システム「ラピュタ2D」の導入や、超高強度の鋼材とコンクリートを組み合わせた超高強度CFT柱などの採用で、耐震性能の高い大空間を創出したことが評価されました。
大林組は、今後も耐震技術などの開発を進め、安全で安心な建築物を提供してまいります。
デュアル・フレーム・システムの概要
一つの建物の中に二つの構造体(固い心棒と柔構造の建物)を造り、オイルダンパーで連結します。地震や強風のとき、固い心棒と柔構造の建物は揺れ方が異なります。この違いを利用してダンパーが地震エネルギーを効果的に吸収することで、耐震構造や一般の制振構造に比べて、構造体への負担が小さくなります。
技術研究所本館テクノステーション
スーパーアクティブ制震システム「ラピュタ2D」の概要
地震が起こると地盤の揺れをセンサーが感知し、揺れの大きさや方向を瞬時にコンピューターへ伝えます。コンピューターでは地盤の動いた距離をリアルタイムに割り出します。
地盤と建物の間には、モノを押したり引いたりする装置、アクチュエータがついています。建物をどれだけ移動させるかの指令は、1000分の1秒単位でコンピューターから伝えられ、アクチュエータは揺れの発生後0.1秒で動きます。
地盤が動いた分だけアクチュエータが反対方向へ動かすので、建物が位置を変えることはありません。これが「ラピュタ2D」の揺れないシステムです。