技能向上と安全意識の高揚をめざし「玉掛技能向上教育」を開催

基礎知識と技能を実践に活かして機械災害の防止を徹底します

サステナビリティ

大林組は、大林組協力会社災害防止協会(以下 災防協)と共に、災害の多い玉掛作業での安全確保を図るため、玉掛業務有資格者を対象に「玉掛技能向上教育」を開催しています。

玉掛技能向上教育は、労働安全衛生法第60条の2第2項に定められた「危険又は有害な業務に現に就いている者に対する安全衛生教育に関する指針」に基づき、玉掛業務有資格者を対象に実施する安全衛生教育です。本教育の修了者には、現場に戻り、玉掛業務のプロとして、現場での指導的役割を担うことを期待しています。

玉掛技能向上教育の実施は、本来、各事業主(専門工事会社)の努力義務ですが、災防協が代行し大林組が支援することで、技能向上と安全意識の高揚をさらに促進し、労働災害、特に機械災害の防止をめざすものです。

玉掛作業の安全や玉掛用具の点検・整備を実際に行いながら学びます

玉掛作業の安全や玉掛用具の点検・整備を実際に行いながら学習する玉掛業務有資格者

近年、玉掛技能向上教育は、「学科教育」のみを行ってきたところ、依然として、災害事故の主要な発生原因の一つが、揚重機械によるものであることに鑑み、2013年度から玉掛技能向上教育の「実技教育」を復活し、大林組機械部門や安全部門の指導・協力により、全支部で実施しています。

2013年度は、全国各地で17回開催し、受講者数は約220人以上に達しました。2014年度は、この教育のさらなる有効化と定着化を図るため、実施回数を増やし22回開催する予定です。

玉掛技能向上教育の主な実施内容は以下のとおりです。

  1. 教育対象者

    玉掛技能向上教育はおおむね5年に一度受講することとされていることから、以下の対象者としています。

    1. (1)災防協会員会社の従業員および会員会社の下請会社従業員のうち、玉掛技能講習終了後、おおむね5年以上経過した者

    2. (2)災防協会員会社の従業員および会員会社の下請会社従業員のうち、玉掛技能向上教育受講後、おおむね5年以上経過した者

  2. 教育内容

    学科と実技を伴う教育で、法令に定める安全衛生教育として、厚生労働省の指針に基づく時間数で実施しています(所要約7.5時間程度)。

    1. (1)学科:玉掛用具の構造やクレーンなどの安全装置の特徴、災害事例とその防止策などを学習する。具体的には、つり角度とワイヤーロープの張力の変化やつり荷材料の質量の算出方法、移動式クレーンの特性(ブームのたわみ、死角、作業半径と三色灯の関係など)を学ぶ。

    2. (2)実技:玉掛作業の安全や玉掛用具の点検・整備を実際に行いながら学習する。具体的には、玉掛対象物の質量目測、重心位置の確認、質量の計算方法や材質による相違の確認、玉掛用具の点検・整備の方法、合図のポイントと方法、移動式クレーンの運転手席後方に同乗し実際の荷の動きを確認、各種つり荷の玉掛方法の確認を実習する。

大林組は、今後も「事業に関わるすべての人々を大切にする」という基本理念に従い、大林組の事業場で働く人全員の安全と健康を確保し、快適な職場環境の形成を促進していきます。