国際石油開発帝石社員寮がコージェネ大賞を受賞

太陽光発電をフル活用したBCP対応型の電力供給システムを構築しました

サステナビリティ

大林組が設計・施工した国際石油開発帝石 直江津東雲寮(新潟県上越市)が、再生可能エネルギーを積極的に活用したBCP(事業継続計画)対応型の電力供給システムを構築したとして、平成26年度コージェネ(※1)大賞の民生用部門で理事長賞を受賞しました。

コージェネ大賞は、一般財団法人コージェネレーション・エネルギー高度利用センターが、コージェネレーション(熱電併給)システムの普及促進を目的に、新規性、先導性、省エネルギー性などにおいて優れた電力供給システムを表彰するものです。

国際石油開発帝石(INPEX)直江津東雲寮

上越市には国際石油開発帝石のLNG基地があり、直江津東雲寮(2013年竣工)はBCPの重要拠点となっています。災害時には共用スペースを地域住民に開放するなど、地域との共生も図っています

直江津東雲寮では、天然ガスを主体としたコージェネレーションシステムを中心に、太陽光発電、非常用ディーゼル発電機などの多様な電源を組み合わせた電力供給システムを構築しており、一般的な建物と比べてCO2排出量を3割以上、受電電力を最大9割削減しています。

災害時には、太陽光発電による電力を優先的に活用することで自立性を高め、BCP機能を維持します。今回の受賞では、再生可能エネルギーを最大限に活用した先進的な取り組みが高く評価されました。

コージェネ大賞 民生用部門 理事長賞
「再生可能エネルギーの最大活用を可能としたBCP対応型電力供給システムの構築」

受賞者 国際石油開発帝石
    大林組
    NTTファシリティーズ

【主な取り組み】

  • 太陽光発電による電力の不足分はコージェネレーションシステムで供給。余剰があればリチウムイオン蓄電池に充電して夜間に活用
  • コージェネレーションシステムの排熱を回収し、夏は床冷房、冬は温水暖房とするなど年間を通して有効活用
  • 建物のビル管理システムBEMS(※2)と建物のエキスパートとを結ぶ「遠隔BEMS(※3)」を活用して継続的に運用を改善
  • 災害時に稼働する軽油燃料の非常用発電機とバックアップ温水ボイラーの設置
電力供給システム構成図

電力供給システム構成図 ※クリックで拡大

電力使用量がピークとなる7、8月の年推移。遠隔BEMSによる運用改善で省エネを推進

電力使用量がピークとなる7~8月分の年推移。遠隔BEMSによる運用改善で省エネを推進

大林組は、技術研究所において、次世代型のエネルギー循環社会に向け、スマートシティ関連技術の開発や実証実験など多数実施しています。直江津東雲寮では、技術研究所で実証した「クラウドサーバーを利用した遠隔BEMS」が導入されており、完成後も大林組がエネルギー分析、評価、運用改善提案などを積極的に行っています。

これからも大林組は、持続可能な社会の実現に向けて新技術の開発、継続的な検証を重ねてまいります。

  • ※1 コージェネ(コージェネレーション)
    発電システムでは、石油、石炭、液化天然ガスなどの燃料をエンジンの動力源にしてモーター(発電機)を回すことで電力を得ています。そのエンジンの熱も回収して再利用することをコージェネ(Co-Generation、熱電併給)といいます
  • ※2 BEMS(Building Energy Management System)
    ビルの機器・設備などの運転管理によってエネルギー消費量の削減を図るための管理システム
  • ※3 遠隔BEMS
    建物完成後に設計者や施工者が建物を遠隔地から運用支援し、継続的に省エネを図るシステム