4月13日、大林組が設計・施工を行った、岩谷産業の商用水素ステーション「イワタニ水素ステーション芝公園」(東京都港区)が完成し、開所式が執り行われました。式典には安倍晋三首相をはじめ、宮沢洋一経済産業相、岩谷産業の牧野明次会長、大林組会長の大林剛郎など関係者約40人が参列し、水素エネルギー社会の幕開けを祝いました。
2014年、経済産業省は、CO2を排出しない究極のクリーンエネルギーである水素の活用に向け「水素・燃料電池戦略ロードマップ(※1)」を策定しました。最初の一歩として、燃料電池自動車(FCV)(※2)に水素を供給する水素ステーションを、2015年度中に全国100ヵ所に設置することを掲げています。
イワタニ水素ステーション芝公園は、トヨタ自動車のFCV「MIRAI(ミライ)」を展示する、日本初のショール―ム併設型の水素ステーションです。FCVや水素の特長などを映像で紹介するなど、水素社会実現のための情報発信基地としての役割も担っています。
70年以上前から水素の可能性に着目し、液化水素のパイオニアとして取り組んできた岩谷産業は、日本初の商用水素ステーション(液化水素方式)を昨年、兵庫県尼崎市に開設しました。芝公園は3ヵ所目の施設となり、2015年度内に20ヵ所の設置を計画しています。
大林組は、岩谷産業が進める水素活用プロジェクトに多数携わり、各地の水素ステーションの建設を進めています。今後も、地球環境と資源エネルギーの課題を解決する「水素」活用に向けたインフラ整備を進めるなど、次世代のスマートエネルギー社会の実現に積極的に取り組んでまいります。
- ※1 水素・燃料電池戦略ロードマップ
経済産業省が水素社会実現に向けて2014年6月に策定。「水素利用の拡大」「エネルギーセキュリティの向上・水素発電の導入」「再生可能エネルギーを用いたCO2フリーの水素供給システム」の3つのフェーズに分けて推進し、2040年頃の実現をめざしています
- ※2 燃料電池自動車(FCV)
水素と酸素を化学反応させて電気をつくる「燃料電池」を搭載し、モーターで走行します。走行時に二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)などの大気汚染の原因となる有害物質を排出しない環境にやさしい車です