横浜北線でのシールド技術が国際トンネル協会ITA Awardsで最優秀賞

日本初受賞、高速神奈川7号横浜北線での地中拡幅技術が世界で評価されました

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横浜北線でのシールド技術が国際トンネル協会ITA Awardsで最優秀賞

各国で技術賞などを受けたプロジェクト90件の中から9分野の各最優秀賞が選ばれました

11月15日、フランス・パリで開催された国際トンネル協会(ITA:International Tunnelling and Underground Space Association)主催のITA Awards 2017で、大林組が施工した横浜環状北線シールドトンネル工事における地中拡幅技術が、国際トンネル技術開発賞(Technical Project Innovation of the Year)を受賞しました。

地中拡幅技術を説明する大林組技術者

地中拡幅技術を説明する大林組技術者。最終審査にはイギリス、米国、カナダなど21ヵ国、29プロジェクトが選出されました

首都高速道路横羽線と第三京浜道路を結ぶ横浜北線(竣工:2017年7月)の本線トンネルと出口

首都高速道路横羽線と第三京浜道路を結ぶ横浜北線(竣工:2017年7月)の本線トンネル(右)と出口(左)

国際トンネル協会は、地下空間の活用促進やトンネルに関する研究、施工、維持管理技術などの発展を目的に1974年に設立され、現在、74ヵ国が加盟する国際団体です。

ITA Awardsは、世界各国のトンネル協会が独自に行っていた表彰を2015年に統合し、世界ナンバーワンプロジェクトを決める国際的な表彰制度として創設されました。表彰を通じて世界の地下インフラ分野における卓越した成果を紹介し、多様なトンネルプロジェクトを幅広く支援するものです。

これまで日本のトンネルプロジェクトが最優秀賞に選ばれたことはなく、今回が初受賞となりました。

今回受賞した技術は、高速道路合流部などのトンネル拡幅の際に、地上からの開削をせずに、地中からトンネル内部を広げるものです。本体トンネルの周辺に細長い鋼管を押し込んで掘削エリアを設け、内側から重機で掘削。トンネル断面を楕円(だえん)状に広げていく新たな地中拡幅技術です。

最大深さ54mの大深度地下に、高速道路の出入り口となる分岐・合流部を非開削で建設したことにより、新たなトンネル施工技術の確立に寄与しました。

大林組は今回の受賞により、日本のシールドトンネル技術が世界でも最高水準であることを示しました。これからも技術開発を進め、国内外のシールド技術の発展に貢献し、安全で安心して暮らせる社会基盤整備に努めてまいります。