山岳トンネル切羽前方の沈下計測
先行天端沈下計
切羽の不安定化の予知や、先行変位から最終変位を予測し、近接構造物への影響を評価します
先行天端沈下計とは?
山岳トンネル工事において、切羽(掘削面)前方の地山の沈下や変位をリアルタイムで監視する計測装置です。土砂地山や不良地山(破砕帯など)では、掘削の際に切羽が不安定化して剥落・崩落する恐れがあります。これは地山の強度不足によると考えられ、作業員が危険なだけでなく、地表面の陥没による第三者への影響や、近接構造物が破損することによる影響などの可能性もあります。
先行天端沈下計は、長尺鋼管先受け工の鋼管やGFRP(※1)管内に計測器を設置して、切羽前方の沈下を50cm間隔で計測し、崩落の予兆となる地山のせん断ひずみや先行変位を常時監視します。リアルタイムで高精度な計測によって切羽の崩落を検知し、警報システムも装備しています。
※1 GFRP:ガラス繊維強化プラスチック
お客様のメリット
安全で安定した掘削が可能です
- 先行沈下を50cm間隔で計測し、地山のせん断ひずみをリアルタイム監視できるため、切羽崩落の予兆を事前に検知します。
- 計測値を常時パソコンに取り込み、管理基準値を超えた場合には、警報音と警告灯で切羽近くの作業員に注意喚起するとともに、工事事務所や担当職員にも自動通報します。
- 先行変位から全変位を予測できるので、切羽到達時点で早期に近接構造物への影響を把握し、迅速な対策が可能となります。
- 通常把握できない切羽到達から計測開始までの初期変位も正確に把握できるので、管理基準値に対する評価が正確になるとともに、適正な管理基準値の再設定が可能です。
- 全変位を計測できるので、地山のひずみから塑性化の有無を正確に判定できます。
設置が容易です
- 計測器がコンパクトなため専用のボーリング孔は不要で、無拡幅タイプの長尺先受け鋼管やGFRP管内に容易に設置できます。
コストを縮減できます
- 計測器を繰り返し使用でき、従来の水平傾斜計に比べてコストを4割縮減できます。
【実績・適用例】
磐越自動車道 宝珠山トンネル ほか合計33件
【その他】
NETIS登録番号:KT-180071-VE