軟弱地盤改良技術

真空圧密工法

真空圧を利用して沈下促進・強度増加を図る軟弱地盤対策工法

真空圧密工法とは?

軟弱地盤の圧密沈下促進、強度増加を図る工法として、従来は載荷盛土工法が適用されてきました。 これに対し、真空圧密工法は、真空圧(負圧)を利用して軟弱地盤内の間隙水や空気を排出し、短期間に地盤の沈下を促進させ、せん断強度の増加を図る工法です。地表面から打設する鉛直ドレーンとそれらを頭部連結した水平ドレーンの上に気密シートを敷設し、真空駆動装置で真空圧(負圧)を与えることで鉛直ドレーンや水平ドレーンから地盤内の間隙水や空気を排水し、圧密沈下を促進させます。

従来工法と真空圧密工法の比較
従来工法と真空圧密工法の比較

お客様のメリット

盛土量が低減できます

  • 地盤内に作用する真空圧は60~80kN/m2であり、盛土高さに換算すると3.3~4.4m(単位体積重量18kN/m3)に相当し、載荷盛土工法で必要であったサーチャージ盛土が不要となります。

地盤の側方変位や隆起を抑制し、周辺への影響が軽減できます

  • 真空圧の作用によって、通常の盛土施工のような外向きの地盤変形が抑制され、引き込み側の変位(内向きの地盤変形)となるため、すべり破壊の予兆である地盤の側方変位や隆起などのせん断変形が抑制できます。

盛土の急速施工が可能です

  • 真空圧で地盤のせん断強度を増加させながら盛土を施工するので、急速施工が可能となります。一般に軟弱地盤上の盛土速度は1日当たり5cmですが、真空圧密工法を採用した場合、1日当たり15cm以上の速度で盛り立てられます。

長期沈下が抑制できます

  • 載荷盛土荷重に真空圧が付加し、地盤内に作用する載荷荷重が増加することで、過圧密比が大きくなり、腐植土や有機質土など二次圧密が問題となる地盤でも長期沈下が抑制できます。

環境に優しい工法です

  • 従来の載荷盛土のように多量の盛土材の運搬や搬出を必要としないので、ダンプトラックなどによる周辺交通の負担が低減できます。また、地盤改良期間中は真空設備の運転のみなので、振動・騒音はほとんど発生しません。

【実績・適用例】

  • 東北中央自動車道白竜湖工事(東日本高速道路株式会社)
  • 東北中央自動車道赤湯工事(東日本高速道路株式会社)
  • 東北中央自動車道大洞トンネル工事(東日本高速道路株式会社) ほか4件
鉛直ドレーンの打設状況
鉛直ドレーンの打設状況
水平ドレーン、有孔集水管の設置状況
水平ドレーン、有孔集水管の設置状況
気密シートの敷設状況
気密シートの敷設状況
真空駆動装置稼働状況
真空駆動装置稼働状況
真空圧密工法施工状況
真空圧密工法施工状況
改良地盤からの排水状況
改良地盤からの排水状況

ページトップへ