山岳トンネル覆工時の妻型枠作業を省力化
省力化ばりシステム
トンネル覆工の型枠固定作業を省力化し、コンクリートの品質と安全性を確保
省力化ばりシステムとは?
山岳トンネルの覆工は、トンネル内部に設置するセントル(鋼製型枠)と地山との間にコンクリートを打設して行います。セントルをセット(固定)し、覆工コンクリートを打設・養生するための妻型枠の設置作業は、打設ブロックごとに行うものであり、セントルセットにかかる時間の25%程度を占めています。
従来、妻型枠の設置では、(1)木矢板を設置し、(2)端太角(ばたかく)と呼ばれる木材と単管パイプなどで固定して、コンクリートを打設・養生。その後、(3)端太角と単管パイプなどを撤去して、(4)木矢板を解体するという人力での繰り返し作業が発生します。 一方、省力化ばりシステムは、一体化した部材をセントル自体に搭載するもので、部材の操作のみで型枠を固定し、撤去も不要となるため、作業効率が大幅に向上します。
■従来工法の問題点
- セントル内の狭隘(きょうあい)な作業空間における人力での妻型枠作業は、反復作業かつ苦渋作業である
- 作業員の技量に依存し、型枠の固定が適切でない場合、打設中に型枠不具合が生じる可能性がある
- 撤去後の部材が足場上に仮置きされることにより、セントル内通行時のつまずき・転倒の原因となる
■省力化ばりシステムの特長
- 大引き材とサポート材(従来工法の単管パイプ)を一体化した部材による妻型枠固定
- セントルの受け架台に搭載したままの状態で、サポート材操作のみで型枠の固定が可能
- 覆工コンクリート作用圧(セントル最大側圧)を考慮した型枠計算に基づく構造設計
お客様のメリット
省力化
- 簡易な操作で妻型枠作業が可能であり、従来工法と比較して作業時間が約15%短縮します。
- 従来工法における端太角と単管パイプなどの人力での移動や固定、撤去の手間が解消され、苦渋作業を軽減します。
打設品質の確保
- 型枠計算に基づく構造であり、作業員の技量に依存することなく打設中の型枠不具合リスクを解消します。
安全性の向上
- セントル内の足場上が整理されることにより、セントル内通行時のつまずき、転倒などの災害リスクを低減します。
【実績・適用例】
- 一般国道140号 大滝トンネル