炭素貯留型シールド裏込め注入材
CN(カーボンニュートラル)裏込め注入材
シールドトンネルの施工時にCO2排出量を実質0以下にする環境に優しい注入材
CN裏込め注入材とは?
シールド工事では、組み立てたセグメントと地山との間の空隙に裏込め注入材を充てんします。裏込め注入材は通常、製造時にCO2排出を伴うセメント系固化材を使用していますが、CN裏込め注入材は、炭素を固定・貯留できるバイオ炭を使用することにより、CO2排出量を実質ゼロ以下に抑える注入材です。
バイオ炭とは、生物由来の有機物資源(バイオマス)を炭化させたもので、木材やもみ殻、稲わらなどの炭化物が代表的な例です。バイオ炭の原料となる木材やもみ殻は、植物としての生育過程で大気中のCO2を吸収し炭素を貯留します。しかし、自然界ではCO2の吸収は永続的なものではなく、燃焼や微生物による分解によって再びCO2として大気に排出されます。木材やもみ殻が燃焼・腐食する前に炭化させ、炭素を固定化したバイオ炭を、裏込め注入材に使用することでCO2排出削減を実現します。
CN裏込め注入材を使用し、CO2を固定・貯留することで、CO2の排出量を大幅に削減できるため、シールド工事におけるカーボンニュートラル達成に貢献します。なお、本材料は大林組、株式会社タックとの共同研究開発によるものです。
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木材炭
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CN裏込め注入材(木材炭添加)
お客様のメリット
シールド工事に伴うCO2排出量を大幅に削減できます
- 裏込め注入材使用によるCO2排出量を最大105%削減し、政府の掲げる2050年のカーボンニュートラル実現に貢献します。
- 例えば、セグメント外径10m、施工延長2kmのシールド工事に使用した場合、従来品と比較して、約910t(※2)のCO2排出量削減に相当します。
従来と同等の品質性能を確保できます
- 一般的な裏込め注入材と同等の流動性、圧縮強度などを有し、要求性能を確保できます。
従来と同等の設備、サイクルで施工することが可能です
- ベントナイト系材料とバイオ炭を、現場搬入前に工場で事前に混合してプレミックス品にすることにより、同等の設備で施工可能です。
- 従来の現地プラントを使用して、同等のサイクルで施工が可能であり、シールド工事全体の工程を妨げません。
- プレミックス品にすることにより、現場での作泥時にバイオ炭が飛散することなく、周辺環境に影響を及ぼさず工事を進めることができます。
- ※1 CO2排出量を最大105%削減
裏込め注入材の配合により異なります
- ※2 約910tのCO2排出量削減
裏込め注入材はセグメント背面の空隙に充てんするため、空隙量によって異なります。なお、910tは約100haのスギが1年間に吸収するCO2量に相当します