地山状況とビッグデータによる発破パターン回帰分析システム

ブラストスキルAI™

山岳トンネルの切羽写真からAIにより地山を評価し、地山の硬軟と形状に応じた発破パターンを作成

ブラストスキルAIとは?

山岳トンネルの掘削において、発破工法による穿孔(せんこう)作業(※1)は、技能労働者の熟練度に大きく依存する作業の一つです。ブラストスキルAIは、これまで熟練技能者の暗黙知であった切羽面の硬軟と形状に応じた発破孔数、孔間隔、穿孔開始位置といった発破パターンを作成できるシステムです。本システムの概要は以下のとおりです。

  • 掘削する切羽の写真を使用してAIによる地山評価を実施。AIは学習済みの切羽の写真と穿孔データだけではなく、適用した現場で取得した切羽写真と穿孔データを教師データとして随時追加学習を行う。
  • AIによる地山評価結果をもとに、地山硬軟と発破孔数の関係式である回帰式によって発破パターンが作成される。回帰式は大林組保有の熟練技能者の発破実績のビッグデータの分析結果に基づいている。また、切羽形状の計測結果に基づき、最適な外周孔角度と穿孔開始位置に座標修正する。
  • ブラストスキルAIは自動穿孔技術を組み合わせて使用できる。

なお、本システムはマック株式会社、株式会社ブレインとの共同開発技術です。

ブラストスキルAIのシステム概要
AIによる地山評価に基づく発破パターン
切羽面凸凹形状に応じた穿孔開始位置の修正

お客様のメリット

自動化による生産性の向上

  • 長い年月をかけて習得した熟練技能者のノウハウを基にした発破パターンを自動生成します。
  • ブラストスキルAIと自動穿孔技術を組み合わせることで、さらなる自動化を図り、生産性向上が期待できます。

熟練度に左右されずに円滑な工程を確保

  • AIの活用により、切羽面の硬軟と形状に応じて最適な発破パターンの作成が可能となり、技能労働者の熟練度に依存されることなく、発破掘削サイクルを確保します。

環境負荷の低減

  • 余掘り量低減によるずり出し時間の短縮と吹き付けコンクリート量の低減により、重機稼働時間と材料ロスの低減に寄与します。現場適用により、30~40%の余掘り量低減効果を確認しました。
現場適用の状況

【実績・適用例】

  • 国道429号道路新設改良工事(榎峠トンネル(仮称)、京都府中丹西土木事務所発注)
  • ※1 穿孔作業
    発破工法において爆薬を装填(そうてん)するための孔(あな)を掘る作業

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