建物のあらゆる情報を集約できるプラットフォーム「BIMWill®」を東京都内のテナントオフィスビルに国内初適用しました

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、建設時のBIMモデルを活用して、維持管理履歴をはじめ建物に関するあらゆる情報を集約するためのプラットフォーム「BIMWill」を開発し、このたび、大林組グループの大林新星和不動産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:齋藤正博)が所有するテナントオフィスビル「oak神田鍛冶町(2017年8月竣工、東京都千代田区)」に初適用しました。

建物完成時のBIMモデルに各種設備機器の稼働情報や維持管理情報だけでなく、地図や天候といった外部情報を集約することで、建物管理業務の効率化、高度化を図ります。さらに、建物利用者の位置情報や体感(暑い、寒いなど)情報なども集約することで、「BIMWill」が実際の建物のデジタルツインとなり、これを活用するさまざまなサービスを展開していくことが可能となります。

BIMWillのシステム概要およびユーザーの利用イメージ

大林組では、BIMを基盤とする新たな建設プロセスを「スマートBIM®」と称し、設計段階から維持管理に至るまで一貫して建物データベースを共有・活用して、生産性の向上や新たなサービスの提供を実現するさまざまな要素技術を開発、展開しており、「BIMWill」は建物完成後にスマートBIMを実現する中核システムとなります。

開発に際しては、大林組グループ各社が個別に保有・蓄積している建物情報と、それぞれが培ってきた業務ノウハウや知見を活用するため、大林新星和不動産、大林ファシリティーズ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:三浦良介)、株式会社オーク情報システム(本社:東京都墨田区、社長:丸山千秋)、オーク設備工業株式会社(本社:東京都中央区、社長:佐藤公義)と、さらに国立大学法人熊本大学(所在地:熊本県熊本市、学長:原田信志、大学院先端科学研究部准教授:大西康伸)の参画を得て共同で実施しています。

今回、「oak神田鍛冶町」においては設計段階、施工段階で活用したBIMモデルをベースとして、稼働している設備機器が発信する情報や、維持保全に必要な情報、日々の管理業務で生成される情報を、「BIMWill」上で横断的にひも付け、表示することにより、建物管理業務の効率化、高度化を図っています。さまざまな情報を入力または表示するインターフェースをBIMモデルとすることで、ユーザーは、各情報の空間的な位置関係を直感的に理解することが可能となるうえ、従来にはなかった気付きが得られるメリットがあります。

   

「BIMWill」の主な特長は以下のとおりです。    

BIMモデル、クラウドを活用した建物管理業務の効率化、高度化

「BIMWill」はクラウド上に構築され、インターネットを介してWEBブラウザから利用することができます。通常、建物には数多くの設備システムが導入されますが、これまで稼働情報や修繕履歴などの情報は、建物管理者がシステムごとに管理されている情報を個別に収集して、状況把握や分析、管理に必要な書面にまとめる作業を行っていました。

「BIMWill」により、建物管理に必要な情報が一つのWEB画面に集約、統合されるため、これまで情報取得、確認に要していた煩雑な作業を大幅に効率化することができます。

また、クラウドを利用しているため、建物の状況をインターネット経由で遠隔地からでも把握できます。さらに、複数建物を遠隔集中管理することも可能となります。

外部システムとフレキシブルに連携

「BIMWill」は、さまざまな外部システムとAPI(※1)を介して連携することが可能です。「oak神田鍛冶町」では、IoTを通じて執務空間の快適性を向上させる「WellnessBOX®」(開発者:大林組)や各種設備の運転状況を把握する「BILCON-Σ®クラウド版」(同:大林組)、設備機器からの故障警報を遠隔地で取得する「遠隔警報監視システム」(同:日本電気株式会社)、建物維持保全に関連する文書を保管、共有する「F@cile®_Site」(同:オーク情報システム)との連携を実現しました。

それぞれのシステムが取得、保有している情報を「BIMWill」上に集約することで、建物管理者は個別のシステムを意識することなく、必要な情報を統合された形で活用することができます。

例えば、設備機器に故障が発生した場合には、故障警報の情報に、BIMモデルを活用した位置情報や該当設備機器の修繕履歴情報、取扱説明書へのリンクなど、各システムが保有する関連情報が付加され、「BIMWill」の画面上に統合した形で表示されます。

デジタルツインの実現で広がる新たなサービスの可能性

実際の執務空間に設置したセンサーから取得される情報が、IoTを通じてクラウド上のBIMモデルに反映されると、現実空間の建物と仮想空間のBIMモデルが「BIMWill」上で同期します。さらに建物に関連するさまざまなシステムの稼働情報などを統合、集約することで、「BIMWill」は、現実建物の「今」が仮想空間で再現されたデジタルツインと捉えることができます。

大林組では、デジタルツインに集約されるさまざまな情報を活用した、新たなサービスの提供を構想しています。例えば、商業施設において、室温や湿度、明るさなどの環境情報と来館者の位置情報や購買記録を組み合わせて見える化することで、店内の明るさと温湿度の調整などと連携した、来店客の購買意欲を高める新たな販促方法が提案できるようになるなど、従来は得られなかった気付きが得られ、新しい価値を提供できると考えます。

また、「BIMWill」は建物の「今」を知ることができると同時に、「過去」の情報が利用しやすい形で蓄積されているため、将来的には建物の「未来」を予測し、設備機器などの予防保全をはじめ、上述の例に倣えば、購買意欲を高める室内環境の知見を、商業施設の設計および施工に活かしていくことも可能となるでしょう。

    
 

【BIMWillのユーザー利用イメージ】

    
  • 地図上での建物位置+ 出来事(故障警報など)表示

  • モデル外観+出来事表示

  • 設備機器の属性情報表示

  • 空調設備温度表示

大林組グループは「BIMWill」について、当面、建物管理会社のニーズを充足する新たな機能の開発を進め、建物維持保全の高度化、建物資産価値の向上に貢献していきます。さらには、「BIMWill」を建物管理のためのシステムを越えたビジネスプラットフォームまで高め、そこに統合される情報と知見を最大限に活用した新たなビジネスチャンスを見いだしていきます。

  • ※1 API(Application Programming Interface)
    自身のソフトウェアの一部を公開して、他のソフトウェアと機能を共有できるようにしたもので、アプリケーション同士が連携できるようになる
    BIMWillではWellnessBOXが提供しているAPIを利用して、設備機器の詳細な運転情報を取得している

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。