既存トンネルの覆工背面空隙を、従来工費の最大50% (道路トンネルで比較)で修復

プレスリリース

pointer 既存トンネルの覆工背面空隙を、従来工費の最大50% (道路トンネルで比較)で修復
低価格なトンネル覆工用裏込め注入工法「スペースパック工法」を開発
  大林組は、トンネルの維持管理で用いられるトンネルの覆工背面空隙の改修工事において、 低価格で確実かつ簡便に注入できるモルタル注入工法「スペースパック工法」を開発しました。
道路トンネルで比較した場合、従来注入工(注入管削孔・設置を除く)の最大50%のコストダウンが可能です。

古いトンネルの一部では、トンネル覆工コンクリート背面に生じた空隙により、局部的に不均等な荷重が覆工に作用し、 覆工コンクリートの変形やひび割れといった変状現象が発生することがあります。 周辺地山の安定性と覆工コンクリートの変状防止を目的に補修工事が行われますが、湧水、地山の亀裂、 覆工のひび割れ・目地がある場合に施工管理に手間取る場合があるなど課題のあった通常のグラウトやエアモルタルにかわり、 近年では、圧送を停止すると自立する特性があり、所定の範囲に注入可能な可塑状注入材が使用されています。 しかし、可塑状注入材は、地山や覆工のクラック・目地からの漏出を少なくし、 水に対する抵抗性を有するといった品質を確保するために特殊な材料を用いるため、コストが高いという問題点がありました。
また、道路トンネルでは、交通を確保するため片側車線を規制し 施工することがありますが、充てん材が注入直前に2種類の材料を混合・攪拌する タイプの場合、ミキサーなどの充てん材製造設備を坑内の作業位置付近に設置する必要があり、これに加え注入設備や高所作業車など、 多数の施工関連設備と作業車両を坑内に持ち込むことになり、占用する片側車線が長くなりがちでした。  

今回開発した「スペースパック工法」は、特殊な材料や製造設備を 用いることなく所要の性能(適度な流動性、注入後に収縮や材料分離を起こさない、 湧水に対する分離抵抗性を有する、地山の亀裂や覆工面のクラックから漏出しないなど)を確保し、 注入設備もモルタルポンプと高所作業車だけなので大幅なコストダウンを実現した可塑状注入工法です。 生コン工場から出荷されたモルタルに特殊増粘材と遅延剤を投入し、 ミキサー車で混合するだけで製造できるので、注入材の運搬も容易で長時間の運搬が可能です。 そのため、坑内での充てん材製造工程が不要となり、制約された時間内に作業の準備や片づけ時間を短縮でき、充てん作業時間を長くとることができます。 また、施工関連設備の配置と施工個所の設定が容易に調整でき、工程など施工条件の変化にも柔軟に対応可能です。

今回開発した、「スペースパック工法」の特徴は次のとおりです。

1. 特殊な材料を一切使用しない(セメント、砂、特殊増粘材、遅延剤のみ)ため低コストです。 また、これら材料のほとんどは環境に対して無害な無機系材料であり、 六価クロムの溶出も殆どありません。
2. 生コン工場から出荷されたモルタルに特殊増粘材を投入し、 ミキサ車により混合する場所を選ばないシンプルな製造システムなので、製造後の注入材の運搬も容易です。
3. 道路トンネルの場合では、ミキサ車により注入箇所まで運搬可能で、 注入現場の主な施工設備は、一般のモルタルポンプと高所作業車だけです。
4. 鉄道トンネルの場合でも長時間の運搬あるいは長距離圧送が可能で、 トンネル抗口付近や坑内の施工設備を最小限にすることができます。
5. 注入材料の物性は、密度が1.3~1.5ton/m3程度で、モルタルフローが180mm (流動性保持時間は遅延剤により長時間も可能)、材齢28日の圧縮強度が2N/mm2以上です。

今後、大林組では今回開発した注入工法を鉄道および道路トンネルの補修工事に積極的に提案し、 トンネル覆工コンクリートの耐久性向上を図っていきたいと考えています。 また、本工法の技術を応用して、水中空隙部充填配合、再利用しきれずに埋立て 処分をしているフライアッシュを1000kg/m3使用した一般充填工事用配合(廃棄物リサイクル配合)と いった様々なニーズに対応できるように展開していく予定です。

以上


  ■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
TEL 03-5769-1014
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟