地下立体交差を急速施工する新工法「URUP工法」の実験機が完成 ~超短工期、低騒音、低振動の画期的な工法を実用化へ~

プレスリリース

pointer 地下立体交差を急速施工する新工法「URUP工法」の実験機が完成
超短工期、低騒音、低振動の画期的な工法を実用化へ
  大林組は、交差点の地下立体交差(アンダーパス)を従来の1/3の工期で急速施工する「URUP(ユーラップ/Ultra Rapid UnderPass)工法」の実験用マシーンを製作し、このたび、同実験機が、Hitz日立造船(株)(本社:大阪市住之江区、社長:重藤毅直)の神奈川工場(川崎市川崎区)で完成いたしました。9月16日と17日に実施する実験機の見学会への参加希望者は、230人以上にのぼり、大きな注目を集めています。
今秋には、この実験機を用いて、大林組技術研究所(東京都清瀬市)の敷地内で、実際にトンネルを掘削する試験施工を行う予定です。

都市部では、交通量の多い交差点や踏み切りで交通渋滞が慢性化しています。交通渋滞によって、物流の遅延や緊急車両の通行の妨げ、車両による移動時間の増加など多くの課題が生じており、また排気ガスによる大気汚染も大きな問題となっています。さらに近年では、都市再生に向けた取り組みも本格化しており、交通インフラの早急な整備が求められています。交通渋滞を緩和するためには交差点の立体交差化が有効ですが、従来は工期が長期間にわたっていたため、工事によって二次的な交通渋滞が発生していました。
地下立体交差を開削工法で構築する場合には、広範囲にわたる道路占用や3年程度の長い工事期間を必要とし、さらに杭打による騒音、振動などが長期間にわたるため、周辺環境にも影響を与えていました。また、交差点部を非開削で施工する場合でも、入口側と到達側に立坑を構築してそれぞれの間をつなぐ方法であったため、アプローチ部とトンネル部を別々に構築する必要があり、大幅な工期短縮は得られずコスト面でも割高となっていました。

URUP工法は、小型の四角いシールド機を縦横に配列して連結した「マトリックスシールド」で、地表からそのままトンネルを掘り進め、交差点部を開削することなく地下立体交差を施工し、そのまま地表に到達させる画期的な工法です。シールド機で掘削する際に通常必要となる立坑などの大規模な準備工事が不要なので、従来3年程度を必要としていた工期を、1/3の約10ヵ月程度で施工が可能です。さらにこの工法は、交差点部の占有が不要で工期も短いので工事に伴う交通渋滞を低減できるとともに、立坑の構築が不要なので、騒音、振動も大幅に軽減することが可能です。

このたび完成した実験機の概要は次の通りです。
・寸法 :幅4.8m×高さ2.15m、全長5.65m
・形状 :カッターヘッド横二連式、矩形、
  側部カッター両側装備 幅205mm
・シールド形式 :泥土圧
・装備推力 :7,200KN
・方向制御機構 :上下左右中折れ装置、可動式そり、コピーカッター装備

「URUP工法」の特長は次の通りです。

  1. 工期は従来の1/3
    本工法では地上部より掘り進めることができる特殊なシールド機を用いているため、立坑の構築が不要となり、従来の1/3という超短工期で地下立体交差を施工できます。また、複数の小型の矩形シールドを現場に搬入し、掘削断面の大きさに応じて作業帯の中で連結するだけなので、現場でのシールド機の組み立てや解体作業が容易です。
     
  2. 工事による二次的な渋滞を最小限に抑制
    交差点部を占有せず、しかも超短期間で地下立体交差を施工するので、工事による交通渋滞を最小限に抑えます。
     
  3. 騒音、振動を低減し建設発生土も抑制
    発進立坑や到達立坑を構築する必要がないため、側壁の崩落を防ぐための杭打ちなどが必要ありません。これにより騒音や振動を大幅に低減することができます。さらに従来の工法に比べ、掘削土量を低減することができるので、建設発生土を抑制した環境にやさしい工法です。
     
  4. 低土被りで施工可能
    地表に近い層に大断面のシールド機を用いると、トンネル上部の地盤に影響が出るため、従来はシールド工法を用いることは困難でした。マトリックスシールドは、配列した小型の矩形シールドが同時に掘り進むのではなく、それぞれが独立して稼動し個々に掘進する仕組みとなっています。これによりトンネル上部の地盤への影響が少なく、低土被りでの施工が可能です。
     
  5. 小型のシールド機を掘削断面に合わせて自由に連結でき、転用も可能
    この工法では、四角い筒状のシールド機を掘削断面に合わせて、縦・横に配列してトンネルを掘削します。構築する地下立体交差の道路幅に合わせて自由に組み合わせることができるので、様々な用途や規模に適用可能です。さらに掘削後には、直接地上に到達するので現場から容易に搬出でき、シールド機の転用が可能です。
今後、大林組は、今回製作した実験機を用いて試験施工を実施し、URUP工法の有効性を実証するとともに、超短工期で立体交差を構築できるこの工法を積極的に提案し、交通渋滞の緩和と交通利便性の向上に貢献していきます。

URUP工法実験機 URUP工法イメージ図
以上
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