大林組は、鉄道の営業を妨げることなく駅や線路の直上に人工地盤を構築できる新工法「ラピッツ-O工法(ラピッツオー)」を開発しました。線路内に打設する基礎杭を、線路上空に設置した仮設ステージ(ポータブルステージ)から昼夜連続作業で施工できるので、人工地盤の建設にかかる工期を最大で3割程度縮減することができます。 最近、駅の利便性を向上するために、駅施設の増設やバスターミナルの設置を行ったり、駅構内に商業施設を設けて新規事業の展開を図るケースが増加しています。しかし、都心部では用地確保が困難なことから、今後、これらの施設を建設するために、線路や駅の上空に人工地盤を構築するニーズが高まるものと思われます。 鉄道施設の上に広い人工地盤を構築するためには、それを支える基礎杭を打設する必要があります。しかし従来の工法では、ホームや線路内に掘削機を設置して基礎杭を打設することとなるため、通常、深夜の限られた時間内にしか施工することができません。特に都市部では、列車の終電から始発までが短時間しかなく、作業可能な時間も非常に短いため、基礎杭工事の作業効率も悪くなり、工期が長期化する原因の一つとなっています。このような背景から、昼間でも杭打作業が可能な工法の開発が求められていました。 このたび開発した「ラピッツ-O工法」は、本設構台(先行して構築された人工地盤)の上に移動可能なポータブルステージを線路上空に張り出す形で設置し、ステージ上の杭打機から線路内に基礎杭を施工するものです。張り出した部分はトラス構造を用いて後方の本設構台で支持させているため、地上から柱で支える必要がありません。地上部分にあるのは、泥水の飛散を防止するためのガードパイプと非常時の転倒防止用補助脚だけなので、非常にコンパクトで列車の運行の支障とならないため、昼間でも杭打作業を行うことができます。 「ラピッツ-O工法」の特長は、以下のとおりです。
大林組は、今回の実証実験工事で「ラピッツ-O工法」の有効性を確認するとともに、今後、鉄道施設などへ積極的に提案していきます。 以上 |
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線路上空からの急速杭打ち工法「ラピッツ-O工法」を開発
鉄道の営業を妨げることなく線路の上空に人工地盤を構築するための画期的な新工法
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プレスリリース