低コスト、短工期を実現する「節付き杭」を大規模マンションで実用化

壁状の節付き杭もメニューに加え、あらゆる建物条件に対応します

プレスリリース

大林組は、超高層建物などの杭に竹のような節をつけることで、効率の高い杭形状を実現し、低コストと短工期を実現する「節付き杭」を開発し実用化いたしました。実物大の実証実験によってその性能を確認し、このたび大林組が設計施工を担当する東京都内の大規模高層マンションに初めて採用いたしました。

通常、地震など大きな揺れが生じた場合、高層建物には基礎部分に引き抜き力や押し込み力が加わります。建物の転倒などを防止するために地下深くにある硬質地盤中に十分な長さの杭を打設する必要があります。
しかし、硬質地盤中に長い杭を打設するためには、大型の杭打ち機と長い工期が必要となり、手間とコストがかかっていました。

「節付き杭」は、柱状の丸杭に節をつけることによって、引き抜き力や押し込み力に対する抵抗力を大幅に増大したものです。従来の杭に比べて地震などの際に発生する抵抗力に対して、効率の良い杭形状となります。地盤にしっかりと固定されるので、硬質地盤に打ち込む杭の長さを短くでき、杭工事にかかる工期、コストをそれぞれ最大2割程度低減することが可能です。
この工法を東京都品川区で施工中の高層マンションの基礎工事に初めて採用し、本年3月に無事杭打工事を完了いたしました。

当社では、このプロジェクトで用いた「節付き杭」のほかに、壁状の杭に節を付けた「節付き壁杭」もすでに開発し、実大実験による性能検証を終えています。「節付き杭」に比べ、剛性が高く、地震時の水平の力に高い抵抗力を発揮することができるため、特殊な形状の建物や傾斜地盤に建設される建物に最適です。また、杭の耐力が大きく本数を減らすこともできるので、敷地間際に杭を打設する場合や地下の埋設物を避けて杭を打設する場合、地下鉄やトンネルに近接して杭を打設する場合などに効果的に活用することができます。

大林組は今後、「節付き杭」を「ナックル・パイル」、「節付き壁杭」を「ナックル・ウォール」とよび、この2つの工法を建物形状や立地条件に応じて効果的に使い分け、高層建築工事を中心に積極的に提案していきます。

【工事概要】※初適用したプロジェクトの工事概要

 <建物概要>
 ■ 所 在 地:東京都品川区
 ■ 設計・施工:大林組 東京本社一級建築士事務所
 ■ 規模・構造:鉄筋コンクリート造
         地下1階、地上29階、塔屋1階


ナックル・パイル

ナックル・ウォール

以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟
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