道路橋床版補強の概念を一新した「タフスラブ・ラピッド工法」を開発

流動性が良くポンプ圧送可能なモルタルにより、設備のコンパクト化を実現

プレスリリース

平成23年6月29日
株式会社大林組
株式会社トクヤマ
萩原工業株式会社
 

道路橋床版補強の概念を一新した「タフスラブ・ラピッド工法」を開発

流動性が良くポンプ圧送可能なモルタルにより、設備のコンパクト化を実現

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、株式会社トクヤマ(本部:東京都渋谷区、社長:幸後和壽)、萩原工業株式会社(本社:岡山県倉敷市、社長:萩原邦章)と共同で、道路橋床版の上面増厚補強の概念を一新した「タフスラブ・ラピッド工法」を開発しました。

高度成長期に整備された道路橋では、経年劣化や交通荷重の増大により床版の劣化が進んだ箇所も多く、安全・安心の提供とサービスの継続のために有効な補強対策が求められています。

硬練りコンクリートを用いた従来の上面増厚補強工事は、数種類の専用大型機械設備や重機を用いて行われていました。しかしながら、従来の工法は、車線の多い高速道路や、工事期間が十分に取れる大型工事の場合などでは適用性がありますが、国道や県道等の小規模な床版増厚工事や緊急性を要する床版の補修工事には適しておらず、機械設備がよりコンパクトで、かつポンプ圧送ができるなど施工性の良い工法が求められていました。

このたび、大林組が開発した「タフスラブ・ラピッド工法」は、コンパクトな設備で施工が可能なうえ、疲労劣化の進行した床版の上面に、特殊ポリプロピレン繊維を混入した超速硬型高じん性モルタルをポンプ圧送により打ち増すため、十分な強度が確保できます。これらの品質と施工性は、大林道路株式会社機械センター構内で実施した試験施工により確認しました。材料コストは、従来技術に用いるものと比較して同等であることを確認しております。

「タフスラブ・ラピッド工法」の特長は次のとおりです。

  1. 急速施工が可能
    超速硬型高じん性モルタルは、打設後3時間で27N/mm2の圧縮強度と、製造後60分間の作業可能時間を実現し、NEXCO規格値(打設後3時間で24N/mm2の圧縮強度、製造後60分間の作業可能時間)を満足しており、従来の上面増厚補強工事と同等の工期で施工できます。また、有機短繊維(綿状ポリプロピレン繊維)を使用して、曲げやたわみに対する優れた耐力と粘り強さを有しています。
     
  2. コンパクトな設備で安全で効率的な施工
    モルタルは、ユニック車で運搬可能なグラウトミキサーで製造可能であり、流動性が良く締め固め不要なため、ポンプ圧送とコンパクトな簡易型フィニッシャにより施工できます。コンクリート運搬車両や大型機械が不要となるため、道路周辺が市街化し空間的に制約のある工事でも対応できます。
     
  3. 環境にやさしい工法
    タイヤショベルや専用フィニッシャ等の大型機械が不要なため、騒音・振動や二酸化炭素排出量などを低減でき、周辺地域と地球環境にも配慮した工法です。

また、寒冷地域における凍結融解による床版表層の劣化に対しても、粗骨材を使用しない粘り強いモルタルを使用しているため、2cm程度の薄層での補修にも適用可能です。なお、材料は当該3社で開発したプレミックスモルタル材料「オートモルスーパー」(株式会社トクヤマエムテック製造)と、特殊ポリプロピレン短繊維「オートファイバー」(萩原工業製造)で構成されます。

大林組は、「タフスラブ・ラピッド工法」を積極的に提案し、インフラ構造物の一翼を担う道路構造物を確実に保全するためのツールとして、今後も安全・安心の提供に貢献してまいります。

試験施工での練り混ぜ状況とグラウトミキサー

試験施工での練り混ぜ状況とグラウトミキサー

試験施工で用いた圧送ポンプ

試験施工で用いた圧送ポンプ

超速硬型高じん性モルタル打ち込み状況(1)

超速硬型高じん性モルタル打ち込み状況(1)

超速硬型高じん性モルタル打ち込み状況(2)

超速硬型高じん性モルタル打ち込み状況(2)

簡易フィニッシャ稼動状況

簡易フィニッシャ稼動状況

仕上がり状況

仕上がり状況

曲げ特性の比較

フレッシュ性状

フレッシュ性状

有機短繊維(綿状ポリプロピレン繊維)

有機短繊維(綿状ポリプロピレン繊維)

曲げ試験体のひび割れ面(繊維による引っ張り抵抗)

曲げ試験体のひび割れ面(繊維による引っ張り抵抗)

以上

 

この件に関するお問い合わせ先

株式会社大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
 
株式会社トクヤマ 広報・IRグループ
TEL 03-3499-8023
 
萩原工業株式会社 ハギライン事業部
TEL 03-3254-4911
 

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。