新技術が決め手となって中尊寺本堂の耐震改修工事を受注

「スーパー板壁工法」により伝統建築を守る

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、伝統木造建築の新工法である「スーパー板壁工法」の技術提案により、世界遺産に登録された「平泉の文化遺産」の構成資産である中尊寺本堂の耐震改修工事を受注しました。

伝統木造建築では、相当期間の築年数を経過している物件もあり、経年劣化を含め耐震性を考慮した建て替えや、耐震補強工事の需要が高まりつつあります。

中尊寺本堂の耐震改修工事では、主に震災復旧と耐震補強、および創建当時の姿をそのまま残すというニーズがありました。こうした伝統木造建築における耐震性と機能性、美しさを兼ね備えた、自由度の高い設計を必要とする耐震技術として、「スーパー板壁工法」は最適な技術です。

「スーパー板壁工法」は、伝統木造工法である落とし込み板壁(柱の間に板を落とし込み、壁を構築する工法)を改良した工法です。これまでの一般的な落とし込み板壁と比較して、意匠性を損なうことなく、壁倍率(※1)が10倍を超える高い剛性と耐力を発揮することで、従来工法よりも少ない壁量で構築することが可能です。中尊寺本堂の耐震改修工事は、外観を変えることなく補強を可能とする大林組の「スーパー板壁工法」を評価していただき受注に結び付きました。

大林組は、今後も伝統建築をはじめとした木造建築において、耐震性能を向上させるとともに、意匠性の自由度を兼ねた付加価値の高い提案をしていきます。

※1 壁倍率:地震や風圧への壁の強さ(耐力)を示す数値。1mの壁幅で200㎏fの水平荷重に対する耐力があれば「壁倍率1倍」とされている。従来の一般的な落とし込み板壁の壁倍率は0.6倍

【工事概要】

  • 工事名称:中尊寺本堂震災復旧・耐震補強および内陣改修工事

  • 施工場所:岩手県西磐井郡平泉町

  • 発注者:宗教法人中尊寺

  • 工期:平成23年9月~平成24年3月(6.5ヵ月)


【中尊寺本堂外観】

中尊寺本堂外観


以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
お問い合わせフォーム

プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。