省スペース型ユニットフロア工法「O-SMART Floor」を開発・適用

狭あいな敷地でも安全性の高いユニットフロア工法で工事の省力化、工期短縮を実現

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、狭あいな敷地でも適用可能な省スペース型ユニットフロア工法「O-SMART Floor(オー・スマートフロア)」を開発・適用しました。

建設現場における建設技能者不足や高齢化の問題を解決するため、大林組は建設技能者の育成とともに省力化・省人化技術の開発・適用を進めていますが、その技術の一つにユニットフロア工法があります。柱や梁などの鉄骨建方工事の後、高所作業となる床工事、仮設足場を設置しての設備工事と進めていく在来工法と異なり、ユニットフロア工法は、地上で建物の梁と床材にダクトや配管などの設備機器を先行して設置し、一体化されたユニットフロアをつり上げ、建物に据え付ける工法です。

ユニットフロア

ユニットフロア

地上で床材などをユニット化するため、在来工法に比べて仮設エレベーターやクレーンで資材を移動させる回数が大幅に減少し、工期を短縮する効果があります。また、鉄骨建方時に作業床(ユニットフロア)ができているため、在来工法より安全性も向上します。

しかし、ユニットフロア工法では、組み立てや仮置きのための作業ヤードが必要となり、敷地に余裕のない都心部の建設現場などへの適用が困難であることが課題でした。

架台(キャリアフレーム)を移動しながらユニットフロアの各部材を組み立てる「O-SMART Floor」

架台(キャリアフレーム)を移動しながらユニットフロアの各部材を組み立てる「O-SMART Floor」

今回大林組が開発した省スペース型ユニットフロア工法「O-SMART Floor」は、狭あいな敷地への適用に加え、一連の工程を短時間で安全に進めることを可能にしました。作業員の不足に伴い施工のさらなる省力化が求められる中、工期の短縮にもつながる効率的な工法です。

大林組は、本工法を「(仮称)日本生命新東館新築工事」(大阪市中央区)に初めて適用しました。今回の事例では12段の積層が可能な架台を設置し、ユニットフロアの組み立ておよび完成品のストックに必要な面積を従来工法から約70%削減することができました。

省スペース型ユニットフロア工法「O-SMART Floor」の特長は以下のとおりです。

  1. 狭あいな敷地でも適用可能で作業効率も向上

    「O-SMART Floor」では、開発した架台(キャリアフレーム)内でユニットフロアが完成し、垂直に積層されます。建物の外にユニットフロアの組み立てや完成したものをストックするための作業ヤードが不要となるため、作業ヤードの確保が難しい都心部や狭あいな敷地でも適用可能です。

    また、本工法においては、ダクトや設備配管の設置など、ユニットフロアを仕上げる工程があらかじめ分業化され、各層に振り分けられています。各層の作業員は決められた工程のみを担当するため、工場のラインで行う流れ作業のように組み立て作業を進められるうえ、各層で同時に作業できることから、地上で組み立てるよりも作業効率が向上します。

  2. 仮設足場が不要となり安全性が向上

    作業員は安全なユニットフロア上で作業します

    作業員は安全なユニットフロア上で作業します

    「O-SMART Floor」では、作業員は架台の中におり、作業足場は組み立てが進んでいるユニットフロア本体となります。ユニットフロアは架台に固定されているので、作業員は平らで安定した場所に立ち、頭上にあるユニットフロアにダクトや設備配管を設置することができます。

    在来工法においては、躯体工事の完了後に設備工事を行うので、作業員は施工済みの床の上に仮設足場を設置のうえ(仮設足場がない場合には高所作業車を用いて)作業を行うこととなりますが、省スペース型ユニットフロア工法においては、安全なユニットフロアが作業床となるため、墜落・転落災害の危険性が低下します。

    また、ユニットフロアの据え付けまでは仮設足場を使用しないので、設置や解体に伴う作業がなくなります。

省スペース型ユニットフロア工法「O-SMART Floor」は、狭あいな敷地で施工する際の部材製作スペースやストックヤードとしても非常に有効です。大林組は本工法をユニットフロア以外の部材にも活用し、超高層ビルなど今後のさまざまな案件に適用するための改良を進めることで、さらなる省力化・省人化を図っていきます。

省スペース型ユニットフロア工法「O-SMART Floor」の取り付け状況


以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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