広報誌『季刊大林』58号(特集:森林) を発行しました

森林と共に生きる街「LOOP50」を構想

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、このたび、広報誌『季刊大林』58号を発行しました。

季刊大林 58号(特集:森林)

創刊以来、建設という視点を通して、現代の社会における問題や現象をひもといてきた『季刊大林』。本号では、わが国において重要性が増してきている森林に注目しました。

現在では、わが国伝統の材料であった木材を、高度な集成木材(エンジニアリングウッド)のみならず、鋼鉄より軽くて強い植物繊維由来の素材であるセルロースナノファイバーなど、最先端材料にも変貌させることができるようになってきました。国土の約7割が森林に覆われた日本で、私たちは森林とどのように向き合っていけばよいのでしょうか。

本号では、3人のオピニオンリーダーが、海外と比較しながら森林の現状や重要性、今後のあり方などについて論考しました。

また、大林組技術陣による誌上構想「大林組プロジェクト」では、森林から得た資源だけで街をつくり、エネルギーも循環させるという、豊かな森林資源を活用した自立型の街「LOOP50」建設構想に挑戦しています。

大林組では今後とも、建設にまつわる文化を考察する『季刊大林』の発行を社会文化活動の一環と位置付け、建造物に込められた人々の思いやさまざまなパワーに触れることを通じて、現代の社会における問題や現象をひもといていく予定です。

季刊大林 ホームページ


『季刊大林』 58号 「森林」 概要

  1. 森林の魔法

    C.W.ニコル(作家)
    空手を学ぶために来日したニコル氏は森と出会い、森をつくり、森で学び、森を教育の場として広めてきた。日本の森の現状と森が持つパワーについて語る。

  2. 森林の社会的価値と木材の未来

    涌井 史郎(雅之)(東京都市大学 特別教授)
    世界中で森林の社会的価値が増大している。その理由を分析するとともに、それに対応するためのわが国の課題を明示。また、森林再評価のさまざまな動きも紹介する。

  3. 日本の森林の再生

    酒井 秀夫(東京大学 名誉教授、日本木質バイオマスエネルギー協会会長)
    荒廃した日本の森林を再生するには何をすべきなのか。世界の森林の現状とともに、新たな潮流を紹介し、今後の日本の森林および林業のあり方を提案する。

  4. シリーズ 藤森照信の『建設の原点』(10) 森のチャペル

    藤森 照信(東京大学 名誉教授、東京都江戸東京博物館 館長、建築史家・建築家)
    建築史家にして斬新な設計者としても知られる藤森照信氏が、建設物を独自の視点で捉えるシリーズ。第10回は、古木の中につくられたチャペル(フランス)を紹介する。

<仕様等>

  • 書名    季刊大林 58号「森林」

  • 仕様    B5判、4C、本文56頁

  • 発行・企画 株式会社大林組CSR室

  • ISSNコード 0389-3707

  • 発行日   2017年11月30日

大林組プロジェクト
森林と共に生きる街 「LOOP50」建設構想

日本の豊かな森林資源を最大限に有効利用するには、どのようにすればよいだろうか。 森林は木を伐採し過ぎても、活用せずに放置しても、植栽→伐採→活用、という循環はうまくいかず荒れてしまう。今回構想した「LOOP50」では、所有する森の成長量に合わせて木を循環・活用し、持続可能性と魅力ある暮らしを両立する中山間地域の街を提案する。

森と共に生きる街「LOOP50」建設構想

「LOOP50」では、森林資源を効率的に活用するために、住宅や公共施設などを1ヵ所に集約。高さ120mの純粋木造建築によるコンパクトシティを創出する

森と共に生きる街「LOOP50」建設構想

ここでは、50年かけて成長した木を使って毎年1区画を増築。50年が経過し住居として役目を終えた1区画は解体し、街のエネルギー源として活用される。「LOOP50」では木の育成から最終のエネルギー活用まで、木の循環活用を実現させている。

森と共に生きる街「LOOP50」建設構想

街の象徴となっているバイオマスプラントと製材・加工所が入るドーム型の建物は、「LOOP50」が木資源で成り立っていることを住民にあらためて意識させる存在でもある

森と共に生きる街「LOOP50」建設構想

木材の利点の一つが、メンテナンスや修理が簡単なこと。居住者は個々の好みで変更していくことも容易だ

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 本社CSR室CSR企画第二課
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