「パワード・クロージング™」を開発する米国ベンチャー企業「Seismic社」へ出資します
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、オープンイノベーションの手法を活用した次世代生産システム構築の取り組みの一環として、「パワード・クロージング(Powered Clothing™)」を開発する米国アパレル系ベンチャー企業「Seismic Holdings, Inc.」(本社:米国カリフォルニア州、CEO:Rich Mahoney、以下、Seismic社)へ出資し、産業向け製品の開発を促進します。
Seismic社は、SRI International(※1)(以下、SRI)からスピンオフしたスタートアップ企業であり、SRI時代にDARPA(米国国防高等研究計画局)(※2)からの委託されたプログラムにより開発した技術をベースに、ロボット工学・技術をアパレル(衣服)デザインに融合させた「パワード・クロージング」を開発しました。Seismic社の革新的な技術は世界的に注目を集めており、世界経済フォーラム(※3)2018において社会的課題を解決するスタートアップ企業61社に選出されています。
「パワード・クロージング」の特徴は、着用者の筋肉・骨格・関節などの動きに連動して伸縮する人工筋肉が、アパレル(衣服)に融合されているという点です。衣服のように軽量かつコンパクトな人工筋肉は、適用部位を自由に選択することで、日常の生活のさまざまなシーンでの使用が可能です。2018年12月には一般消費者向け製品の発売が米国で予定されており、デザイン性の高い本製品は広く市場に受け入れられることが期待されています。
今回、大林組のSeismic社への出資は、建設会社として初めてのものとなります。「パワード・クロージング」技術は一般消費者にとどまらず、産業界への適用可能性が高く、体を使った作業の多い建設技能労働者の負担軽減を目的とした産業向け製品には高い需要が見込まれます。大林組の資本参画は、Seismic社の戦略的なパートナーとなることで、建設業を含めた産業向けの「パワード・クロージング」の開発を加速させることを目的としています。
大林組グループは、次世代建設プロセスの構築「Obayashi Construction 4.0(※4)」をめざしています。建設プロセスから人が行わねばならない作業は決してなくなりませんが、「Obayashi Construction 4.0」が生み出すのは、状況を的確に判断して人をサポートし、時には取って代わることで、より高度・正確かつ効率的な作業を加速させる建設支援システムです。大林組は今回の取り組みを通じて、建設技能労働者のQuality Of Life (QOL)を大幅に向上させ、魅力ある建設業の創出に大きく寄与していきます。
- ※1 SRI International 世界で最も大きな非営利独立研究機関の一つ。1946年にスタンフォード大学により地域の経済発展を支援する目的で設置された。1970年に完全に大学から独立し、米国の非営利科学研究組織となる。科学技術の発見・応用を通じて、知識・経済・平和・繁栄に貢献することを目的としている。これまで数々のイノベーションを生み出しているため、米国ビジネス誌『Business Week』では"The Soul of Silicon Valley"と評されている。現在では政府関連から民間まで幅広い顧客と協力して最先端のR&Dの結果を実用化・商用化しており、高付加価値とイノベーションを実現することに注力している
- ※2 DARPA(米国国防高等研究計画局) 先端軍事技術研究プロジェクトを指導する米国国防総省の機関。1972年、前身のARPA(高等研究計画局)から改称。インターネットの原型であるARPANET・全地球測位システムのGPSを開発したことで知られる
- ※3 世界経済フォーラム 経済、政治、学究、その他の社会におけるリーダーたちが連携することにより、世界・地域・産業の課題を形成し、世界情勢の改善に取り組む、独立した国際機関。スイスのダボスで開催される年次総会(通称ダボス会議)は、約2500人の選ばれた知識人やジャーナリスト、多国籍企業経営者や国際的な政治指導者などのトップリーダーが一堂に会し、健康や環境などを含めた世界が直面する重大な問題について議論する場となっている
- ※4 Obayashi Construction 4.0 ドイツで生まれた概念である「インダストリー4.0」を建設業で実現する取り組み。IoTやAIを用いて建設業の生産性を飛躍的に向上させ、魅力ある建設業の創出を目的とする
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
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