第59回(2018年)BCS賞を受賞しました

すみだ北斎美術館、デンソー AQUAWINGS

サステナビリティ

11月16日、第59回BCS賞(一般社団法人日本建設業連合会主催)の表彰式が開催され、大林組ほかが施工したすみだ北斎美術館 (東京都墨田区)と大林組が施工したデンソーグローバル研修所・保養所「AQUAWINGS」(静岡県浜松市)が選ばれました。1960年に創設されたBCS賞は、企画・設計・施工・維持管理といった幅広い視点から建築を総合的に評価する賞で、建築主、設計者、施工者の三者を表彰するものです。今年は、全国73件の応募の中から、特別賞1作品を含む16作品が選定されました。

すみだ北斎美術館

(建築主:墨田区、設計者:妹島和世建築設計事務所、佐々木睦朗構造計画研究所、森村設計)

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外壁には周辺の景色をほのかに映り込ませる鏡面のアルミパネルを使用。建物が地域の景観に溶け込むことをめざしている

すみだ北斎美術館は、江戸後期の浮世絵師「葛飾北斎」の作品を展示する施設として2016年、東京・両国に完成しました。

美術館は、下町の町並みを構成する小さな建物とスケールを合わせた4つのアルミニウムのボリュームが、上空で合体したような形をしています。各ボリュームにはエントランス、美術品搬出入室、講座室、図書室が割り当てられ、講座室と図書室はそれぞれが独立して街に開かれた施設になっています。

内外共に複雑な形状が連続する建築においては、3次元断面を可視化して施工計画を確認するなど、BIMをフル活用することで精度の高い施工が可能となりました。また、各種モックアップや輝度の異なるアルミパネルの製作・確認を繰り返し、設計者の感性に合ったイメージを実現しています。

今回の受賞では、街のスケール感に対する新たな解を示した建築となったことが高く評価されました。

 
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地上レベルでは、4つのボリュームの間を通り抜けることが可能。スリット部分からは建物内部の活動が見え、下町の路地空間に入り込んだような感覚を覚える (写真:©妹島和世建築設計事務所)
  

デンソーグローバル研修所・保養所「AQUAWINGS」

(建築主:デンソー、設計者:日建設計)

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林道を上がり湖を見下ろす丘に着くと突然現れる流線型の外観。想像力を刺激する「非日常」が始まることへの期待感を感じさせる

デンソーグローバル研修所・保養所「AQUAWINGS」は、国内外グループ企業の研修センター、グループ社員の保養所として利用する一体施設として2016年、静岡県浜松市の浜名湖畔に完成しました。

湖畔から約40mの小高い丘の上に位置する建物は、等高線に沿う、緩やかな流線型の平面が積層したかのような特徴的な外形となっています。外壁、間仕切りは曲線を描くように配置されているため高い施工精度が求められ、精密な座標管理に基づき正確な施工を行いました。

建物上部の自然換気窓と地下のクールヒートトレンチを活用して風が通り抜ける心地よい空間を実現するとともに、積層された外形と大きな庇が直射日光を軽減し、カーテンブラインドなしでも風景と光を取り入れるなど、「借景」の思想により空間の魅力を向上させています。

今回の受賞では、耐久性とメンテナンス性をうまく機能させ、環境に配慮する好感度の高い施設となったことが評価されました。

 
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エントランスの中央吹き抜けではトップライトの日射拡散装置によって制御された木漏れ日が降り注ぐ。両ウイングに設置された宿泊施設からは浜名湖が一望できる

大林組は今後も、建築主、設計者、施工者一体となった心地よい空間づくり、地域社会に愛され続ける作品の建設に努めるとともに、建築文化の創造、継承、そして建設技術の発展に貢献してまいります。