宇宙ビジネスアイデアコンテストS-Booster2018の最終選抜会が開催

大林組職員が未来コンセプト賞を受賞しました

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11月19日、内閣府などが企画し、大林組や他の民間企業が協賛、協力する宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster 2018」(エス・ブースター 2018)の最終選抜会が東京・渋谷で開催され、大林組職員が未来コンセプト賞を受賞しました。

また、協賛企業各社が選出するスポンサー賞のうち大林組が選出する大林組賞については、森琢磨氏と山田龍太朗氏によるチームが受賞し、同チームは最優秀賞も併せて受賞しました。

「S-Booster 2018」は、宇宙に関する素材(通信、地球観測、有人宇宙活動、宇宙輸送などの技術やそこで取得したデータ、運用ノウハウなど)を利用したビジネスアイデアを発掘するコンテストです。2回目の開催となる今年は、3年以内の事業化を想定したビジネスプラン部門と、10年以内の実現をめざした未来コンセプト部門の2部門でアイデアの募集が行われました。

4月から5月にかけて応募された200件以上のアイデアのうち、一次、二次の審査を経て最終選抜会まで勝ち残ったのは12件。最終選抜会はYouTubeによるライブ配信も行われる中で開催され、審査員9人による厳正な審査のもと、最優秀賞1件、未来コンセプト賞1件、審査員特別賞1件、スポンサー賞5件が選出されました。

内閣府の平井卓也特命担当大臣(宇宙政策担当)(左)から表彰状を授与される大林組職員(右)。宇宙飛行士の山崎直子さんなどから有意義で世の中に大きなインパクトを与えると評価されました
内閣府の平井特命担当大臣(宇宙政策担当)(左)から表彰状を授与される大林組職員(右)。宇宙飛行士の山崎直子さんなどから有意義で世の中に大きなインパクトを与えると評価されました

未来コンセプト賞

「地球内部のCTスキャン」
提案者:大出大輔(大林組 技術研究所構造技術研究部)

地球には、宇宙から宇宙線(原子核や素粒子などの極めて小さい粒子)が絶えず降り注いでいます。本提案はその宇宙線などを用いて人間の体と同様に地球内部をCTスキャンするものです。

地下資源の分布状況を明らかにできれば、その情報を資源開発企業などに対して有償で提供するなどの事業性を見込めるほか、資源の持続的な確保などエネルギー安全保障の実現にも役立ちます。

また、地下の構造や地盤状況を把握することで、建設物の地震対策など防災・減災につながる有効な施策を講じられるなど、豊かで安全・安心な社会を実現することに貢献します。

現在は火山のマグマ探査など限られた研究用途にしか活用されていない宇宙線を利用して新たな事業を創出することを提案
現在は火山のマグマ探査など限られた研究用途にしか活用されていない宇宙線を利用して新たな事業を創出することを提案

大林組賞

「ロケット海上打ち上げ」(最優秀賞も受賞)
提案者:森琢磨氏、山田龍太朗氏

近年、小型衛星や小型ロケットの開発が積極的に進められており、今後打ち上げ機数が飛躍的に増加すると予想されていますが、打ち上げ場が不足しています。

その一方、石油や天然ガスの掘削に使用される海洋掘削リグ(※1)は、資源需要や資源価格の低迷から稼働率が低下し、設備の使用料や中古価格は下落しています。

本提案は、使用されていない海洋掘削リグを打ち上げ場として使用することでコスト削減を図りつつ、打ち上げ場の使用料や打ち上げ場を利用したイベント収⼊、広告収⼊などを収⼊源として、事業化をめざします。

  • ※1 海洋掘削リグ
    地下に眠る石油や天然ガスを採掘するために海洋上に設置する構造物
世界にある海洋掘削リグの40%が使用されていない状態にあることから、小型ロケットの打ち上げ場として利用することを提案。大林組の宇宙エレベーター建設構想に必要な地球上の発着場(アースポート)建設の大きなヒントになるかもしれません
世界にある海洋掘削リグの40%が使用されていない状態にあることから、小型ロケットの打ち上げ場として利用することを提案。大林組の宇宙エレベーター建設構想に必要な地球上の発着場(アースポート)建設の大きなヒントになると評価

宇宙ビジネスアイデアコンテストは応募者やその他関係者の最終目的地ではなく、宇宙ビジネスを実現するためのきっかけに過ぎません。応募されたアイデアが近い将来花開き、日本の宇宙開発や産業、技術の飛躍的な発展に結び付くことを期待し、大林組はこれからも応援していきます。