釧路町での大型蓄電池システムが新エネ大賞を受賞しました

国内初、出力変動緩和のための蓄電池システムを開発し民間の大規模太陽光発電所へ導入

サステナビリティ

一般財団法人新エネルギー財団が主催(後援:経済産業省)する「令和元年度新エネ大賞」において、大林組と三菱電機、GSユアサが北海道釧路町の釧路町トリトウシ原野太陽光発電所で行っている「短周期出力変動緩和対策を講じた大型蓄電池システムの導入」が「新エネルギー財団会長賞」を受賞しました。

新エネ大賞は、新エネルギー(※1)の導入促進と普及、啓発を図るために、新エネルギーに関わる商品や新エネルギーの導入、普及啓発活動の中から先進性、独創性、実績、将来性、発展性などにおいて特に優れたものを表彰しています。

【導入活動部門】新エネルギー財団会長賞

短周期出力変動緩和対策を講じた大型蓄電池システムの導入

news20191220_1_01.jpg
「やちぴかソーラー」の愛称で呼ばれる釧路町トリトウシ原野太陽光発電所。年間発電量は釧路町の世帯の半数の消費電力に相当する約1900万kWh

太陽光発電は、雲の状況により発電出力が頻繁に変動することや、一気に大量発電することで需要と供給のバランスに影響を及ぼすため、電力会社への系統連系(※2)に当たっては周波数や供給量に影響が出ないようにする必要があります。

今回受賞した大型蓄電池システムは、天候の変化によって急変する太陽光発電所の出力変動を緩和することを目的に開発しました。さらに発電所の規模に合わせて、蓄電池システムの設備容量も最適化するものです。

今回の受賞では以下の点が高く評価されました。

  • 電力提供先の系統連系条件に適合する蓄電池システムを民間企業が開発し、実際に稼働する大規模太陽光発電所において国内で初めて導入させたこと。
  • 蓄電池システムの設備容量を最適化することで設置・運用コストを抑えることができ、出力変動の調整が必要な国内外の発電所への展開を可能にしたこと。
news20191220_1_02.jpg
高速演算により蓄電池の放電を制御する蓄電池システム
news20191220_1_03.jpg
蓄電池システムには効率、実績などの面からリチウムイオン電池を採用

大林組は今後も、再生可能エネルギーの普及、拡大につながる新たな技術を開発し、電力負荷やエネルギーコストの低減、省CO2型社会の構築など、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

  • ※1 新エネルギー
    太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーに加え、水素などを活用するクリーンエネルギー、天然ガスコージェネレーションシステムなどの革新的なエネルギーも含む
  • ※2 系統連系
    発電設備から商用電力系統に接続すること