建築設計の初期段階の作業を効率化する「AiCorb®」を開発
ファサードデザイン検討にAIを活用し迅速な設計提案を実現
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プレスリリース
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、米国シリコンバレーのSRI International(SRI)(※1)と共同で、スケッチや3Dモデルからさまざまなファサードデザインを提案できるAI技術 AiCorb(アイコルブ)を開発しました。設計者向けプラットフォームHypar(※2)と連携することで、ボリュームデザインを含めて一気通貫で設計する新たな手法を確立しました。
建築設計の初期段階では、環境条件や顧客の要望から建築基準法などに合わせて建物のボリュームや平面計画に加え、建物の顔となる魅力的なファサード設計案を用意し、顧客に提案し対話をすることで、要望の反映や合意形成を進めていきます。従来は、設計者がアイデアを出し、スケッチやCADを使用したデザイン案の作成までをすべて手作業で行っていたため、準備に時間と手間がかかっていました。また、提案内容が顧客の要望に合わない場合は、同様のプロセスで再度検討し直す必要があるという課題がありました。
今回大林組は、SRIと連携してAIを活用し、建物の形状を記したスケッチや3Dモデルから複数のファサードデザインを自動で生成し提案する技術AiCorbを開発しました。AiCorbは、スケッチや3Dモデルに対して、複数のファサードデザイン案を瞬時に提案するAIと、提案されたデザイン案を設計用プラットフォームであるHypar上で3Dモデル化する2つのAI技術が搭載されています。AiCorbとHyparを連携した新たな設計手法では、ボリュームデザインからファサードデザインまでを一気通貫で実施でき、顧客からの要望をその場で具体化し合意形成を効率的に進めることができます。
今回開発したAiCorbの特長は以下のとおりです。
AIによってスケッチや3Dモデルのアウトラインからファサードデザインを生成
さまざまなデザインをAIに学習させたことで、建物のアウトラインをスケッチしたデータなどを読み込ませるだけで、データごとに異なるファサードデザインを瞬時に何個でも生成できます。そのため、従来必要とした顧客の要望を聞き取り、イメージをすりあわせるための時間と手間が大幅に削減され、設計初期の迅速な合意形成につながります。
AIによって得られたデザインの3Dモデル化
設計用プラットフォームHyparと連携することで、生成されたファサードデザインをもとに必要な各種パラメータを推定し、3Dモデルを作成します。そのため、スケッチから生成されたデザイン案を入力すれば、すぐにファサードデザインとボリュームデザインを兼ね備えた3Dモデルとして顧客に提示することができます。画像だけでは伝わりづらい、立体的な情報も活用して議論を進めることができ、合意形成をさらに効率化することができます。
今後は、今回開発したAI設計効率化手法を改良し実用化を進めながら、Hyparも含めて、設計者の業務を補助するオープンな機能として広く利用できる形での公開を予定しています。
大林組はAI技術を活用した設計技術の開発や提案を通して業務効率化を実現し、設計者の新たな働き方の実現とその普及に貢献していきます。また、顧客の要望に応える設計案を素早く提案することで、顧客満足度のさらなる向上に努めます。
- ※1 SRI International
世界で最も大きな非営利独立研究機関の一つ。1946年にスタンフォード大学により地域の経済発展を支援する目的で設置され、1970年に完全に大学から独立し、米国の非営利科学研究組織となる。大林グループとは、建設技術の共同開発に関する戦略的パートナーシップを締結している - ※2 Hypar
Hypar社は、AutodeskでRevit用ビジュアルプログラミングツールDynamoの開発に携わったIan Keoughと、同じくAutodeskでジェネレーティブデザインに関する開発に従事していたAnthony Hauckらによって2018年に創業。
同社が開発した設計者向けプラットフォームHyparは、住所や平面外形などの基本情報に加え、建物高さや階高などいくつかの重要な変数を定義するだけで、建設予定地の周辺環境を考慮した3次元的なデザインを生成、検討ができる。ユーザーが独自の機能を開発・共有することができ、従来のツールを利用するよりも簡単かつ高速にデザイン検討できることが特徴。今回、日本市場への導入をめざし、大林組が手がける東京都の中規模物件を対象に機能の検証を行い、斜線制限を可視化する機能など、必要となる機能を追加実装しながら、実用性を確認した
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室 広報課
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