国際イベント「WOODRISE 2021 BUSINESS SESSION」で木造建築の展望について講演

サステナビリティ

5月22日から27日の6日間、「WOODRISE 2021 BUSINESS SESSION」が東京で開催され、5月23日のテーマ別講演で、大林組の社長 蓮輪賢治が「⾮住宅/中⾼層⽊造建築の推進で創出される経済的価値の展望」について講演しました。

WOODRISEは、一般社団法人国際建築住宅産業協会が主催するもので、中高層木造建築物の発展のため、業界関係者が一堂に結集する2年に一度の国際的なイベントです。昨年10月15日から17日に京都において会議、展示などのイベント「WOODRISE 2021 KYOTO」が開催されましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でB to Bミーティングなどのプログラムが開催できず、今回「BUSINESS SESSION」として改めて開催されたものです。

講演では、国が掲げる「2030年までに建築用材等の国産木材利用量を2019年比で800万m³拡大(※1)」という目標達成に向けては、業界全体の取り組みが必要である一方で、建設コストについては事業者のコスト低減努力だけでなく、補助金制度やCO2排出権取引など、木造建築の経済的価値を創出することが重要であるとの課題を示しました。

その具体例として、大林組が横浜市で建設した高層純木造耐火建築物「Port Plus® 大林組横浜研修所」をあげ、3,350t相当(※2)のカーボンオフセットを実現すると同時に、補助金(※3)の受給やESG債での資金調達を行うなど、経済的価値や企業価値の向上に寄与したことを紹介しました。

さまざまな木造木質化プロジェクトを例に木造建築の展望を語る大林組社長 蓮輪(提供:一般社団法人国際建築住宅産業協会)

大林組は、木造・木質化建築の設計・施工にとどまらず、循環型森林利用や、木材のサプライチェーンマネジメント、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用するサーマルリサイクルを含めた3R(リデュース・リユース・リサイクル)にも取り組み、持続可能な社会の実現に貢献する新しいビジネス機会を生み出していきます。

「Port Plus」外観(撮影:株式会社エスエス 走出直道)
  • ※1 林野庁「森林・林業基本計画に掲げる目標数値について(案)」(2021年3月公表)
  • ※2 木材使用により1,650tを固定化、さらにライフサイクルを通してCO2排出量を鉄骨造比で1,700t削減(当社試算)
  • ※3 本プロジェクトは「令和元年度サステナブル建築物先導事業(木造先導型)」、「平成31年度CLT活用建築物実証事業」に採択されています