雨水流出抑制効果とヒートアイランド現象緩和効果をもつ「ハイドロペイブ ライト™」を開発

雨を貯水し、有効に活用する舗装

プレスリリース

株式会社大林組
大林道路株式会社

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)と大林道路株式会社(本社:東京都千代田区、社長:黒川修治)は、透水性舗装と湿潤舗装を組み合わせることで、豪雨災害とヒートアイランド現象の2つの社会課題を解決する多機能舗装「ハイドロペイブ ライト」を開発しました。

ハイドロペイブ ライトの試験施工写真(透水性舗装には大林道路の研磨匠®を採用。通常より高級感のある舗装に仕上げています)

近年、地球温暖化や都市化などにより、豪雨災害や平均気温の上昇が社会課題となっています。これらは、道路の冠水や地下街の浸水、熱中症患者の増加などをもたらすため、気候変動や自然災害に対するレジリエントなインフラ整備に対するニーズが高まっています。

今回、2社が開発した「ハイドロペイブ ライト」は、透水性舗装(軽交通道路(※1))と湿潤舗装(歩道)を組み合わせた舗装です。「ハイドロペイブ ライト」上に降った雨は、主に透水性舗装の路面から浸透し、貯水容量が大きな路盤内に貯水されるため、豪雨時の雨水の流出量を減少させ、下水施設などに一気に雨水が集まることを抑制します。透水性舗装の路盤に貯水された雨の一部は湿潤舗装に導水され、路面から蒸発します。このとき、路面や周囲から熱が奪われるため、歩行者に涼しい環境を提供するとともに、ヒートアイランド現象を緩和します。

「ハイドロペイブ ライト」の断面図(雨水の動きを丸数字で示しています)

「ハイドロペイブ ライト」の特長は以下のとおりです。

雨水流出抑制効果

「ハイドロペイブ ライト」の透水性舗装には、ポーラスコンクリートに約20%、路盤に約40%の空隙があるため、多量の雨を貯めることができます。また、湿潤舗装内でも、砂層の空隙内に雨を貯水できます。

一般的な透水性舗装(※2)と同条件の道路(車道幅員5m、歩道幅3m、長さ1km、舗装厚35cm)で比較した場合、約2.1倍の雨を貯めることができ、下水施設への流出時間を遅らせ流出量を減少させるため、雨水流出抑制効果が高まります。

ヒートアイランド現象の緩和

「ハイドロペイブ ライト」は一般的なアスファルト舗装に比べて、夏季の路面温度を透水性舗装で最大12℃、湿潤舗装で最大23℃低下させます。

雨が路盤内に貯水されている期間中、湿潤舗装の路面から雨水が蒸発するため、降雨後も暑熱緩和効果を発揮します。試験施工地では、降雨後に最大6日間、雨水が路盤内に貯水されたことを確認しました。

大林組と大林道路は、今回開発した「ハイドロペイブ ライト」を軽交通道路に適用することで、豪雨災害とヒートアイランド現象の2つの社会課題を解決し、災害に強く、人々が快適に暮らせるまちづくりに貢献します。

また、今後は、一般道路への適用も視野に入れ、さらに開発を進めていきます。

  • ※1 軽交通道路
    大型自動車が侵入せず、主に普通自動車以下の通行(300台/日未満)および駐車場に使用される道路。コンクリートの曲げ強度は歩道(管理用車両の乗り入れ有り)の規格値である2.5N/mm²以上
  • ※2 一般的な透水性舗装
    「公益財団法人 日本コンクリート工学会(2015)性能設計対応型ポーラスコンクリートの施工標準と品質保証体制の確立研究委員会 報告書」の「表-3.2.2.1 舗装の断面と単位空隙貯留量の算出」を参考に計算

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報課
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