苗木を安定的に栽培、育成する「人工光苗木育成技術」を開発

木材の利用促進と森林の循環利用に貢献します

プレスリリース

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、人工光により苗木を安定的に栽培・育成する技術を開発しました。

発芽した苗木

大林組は、Obayashi Sustainability Vision 2050を策定し、「脱炭素」、「価値ある空間・サービスの提供」、「サステナブル・サプライチェーンの共創」を目指しています。その実現のための施策として、木造木質化建築における川上から川下までのサプライチェーン全体を持続可能で最適なものとする循環型ビジネスモデルCircular Timber Construction®(※1)を掲げ、非住宅木造木質化建築をはじめ、木材の利用推進と、森林の持続的な循環利用に取り組んでいます。

循環利用の中で川上にあたる「植林・育林」においては、従来から植林用苗木の生産を露地栽培で行っているため、天候に左右されることや、苗木の出荷までに最長2年程度を要するなど、安定供給が課題でした。

そこで、大林組は、木造建築物の構造部材として利用可能なカラマツをはじめとした苗木を、室内において人工光による環境制御を行うことで、環境や季節にとらわれず、種まきから出荷可能なサイズまで安定的かつ効率的に育成する技術を開発しました。植林に適した苗木を出荷時期に合わせて育成できるため、植林用苗木の安定供給が可能となります。

本技術の特長は以下のとおりです。

安定的・効率的な育苗が可能

露地栽培では天候などの影響により幼苗期の発芽率が10%まで低下する場合もあります。本技術では天候に左右されず、かつ木の種類に合わせた適切な光の制御を行うことで、発芽率は60~70%程度に安定し、かつ根元が太く植林後も順調に根付く苗木を育成できます。

育苗期間の短縮と出荷調整が可能

室内においては、露地栽培では生育が期待できない冬季も育成できるため、育苗期間を短縮できます。育苗期間と数量が安定することで、必要な出荷時期に必要な出荷量を確保することができます。

栽培棚における栽培状況
植林後の人工光育成苗

大林組は、今回開発した技術を、今後、各地域の植林現場に展開し、日本国内における再造林への取り組みに貢献します。これにより、木材供給の安定化・効率化を実現し、サプライチェーンの最適化に寄与することで、木材利用による森林の持続的な循環サイクルを推進します。

  • ※1 Circular Timber Construction®
    木造木質化建築の推進にとどまらず、大林グループが保有する森林関連の事業実績やノウハウ・知見を活かし、国産木材に関する川上(植林・育林)から川中(加工・調達)、川下(建設、発電、リユース・リサイクル)まで、素材生産~製材~利用~植林という循環サイクル全体を持続可能で最適なものにする取り組み

以上

この件に関するお問い合わせ先
大林組 コーポレート・コミュニケーション室広報課
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