第13回大林賞はマルタ・アルゲリッチ氏、伊藤京子氏、 アルゲリッチ芸術振興財団の3者共同受賞に決定

サステナビリティ

公益財団法人大林財団(理事長:大林剛郎〔大林組 取締役会長 兼 取締役会議長〕、所在地:東京都中央区)では、第13回大林賞の受賞者を決定しました。

第13回大林賞

大林賞は、都市が抱える諸問題の解決に多大な功績があった研究者をはじめ、都市のあり方や将来像に指標を与え、あるいはそれらを実践することによって社会に大きく貢献をした者を顕彰するもので、2年ごとに実施しています。今回、第13回を迎える大林賞の受賞者には、別府アルゲリッチ音楽祭などを通じて社会貢献と地域振興に寄与された、マルタ・アルゲリッチ氏、伊藤京子氏、公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団の3者が共同で選ばれました。2024年5月22日に授賞式を開催する予定です。

  • マルタ・アルゲリッチ氏 ©Rikimaru Hotta

  • 伊藤京子氏 ©Rikimaru Hotta

  • ©Rikimaru Hotta

授賞理由

世界を代表するアルゼンチン出身のピアニスト マルタ・アルゲリッチ氏は総監督として、盟友のピアニスト 伊藤京子氏は総合プロデューサーとして共に協力し、過去四半世紀にわたり別府アルゲリッチ音楽祭を通じて、世界的アーティストを別府の地に招き、若手音楽家や地元演奏家との交流を実現させてきました。その結果、クラシック音楽は開かれた芸術となり、音楽を通じた社会貢献、地域振興を実現してきました。

また、アルゲリッチ芸術振興財団は、地域の人々と共に、心を育む豊かな社会の実現をめざし、行政と役割分担をしながら、これらの活動を継続してきました。

  • 芸術を核とした社会貢献と地域振興に寄与
  • 都市 別府の活性化 に対する貢献
  • 大分から世界に文化を発信してきた実績

3者の連携で成し遂げられてきた功績を、都市のあり方や将来像に画期的な指標を与えたと高く評価し、共同授賞となりました。

受賞者について

マルタ・アルゲリッチ

ピアニスト、アルゲリッチ芸術振興財団 総裁、別府アルゲリッチ音楽祭 総監督

アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。5歳からヴィンチェンツォ・スカラムッツァのもとでピアノを学び、神童ぶりを発揮。1957年にブゾーニとジュネーヴの国際ピアノ・コンクールで優勝して以来、活発なコンサート活動を開始。1965年にショパン国際コンクールで優勝し、彼女の世界的な評価を決定的なものにした。以来、人気、実力ともに世界的トップ・ピアニストとして活躍を続けている。

1994年から別府ビーコンプラザ・フィルハーモニアホール名誉音楽監督に就任。「別府アルゲリッチコンサート'95」では約10年ぶりに世界中の音楽ファン待望のソロ・リサイタルが実現し、大きな話題を呼んだ。

1996年から「別府アルゲリッチ音楽祭」総監督を務め、アジアをはじめ世界の音楽家との共演を行っているほか、若手音楽家の育成にも力を注ぎ、自らマスタークラスで指導にあたるなど、その革新的な音楽創造への試みは日本をはじめ世界の音楽界に多大な影響を与え続けている。



伊藤京子

ピアニスト、アルゲリッチ芸術振興財団 副理事⾧、別府アルゲリッチ音楽祭 総合プロデューサー

福岡県北九州市出身。東京藝術大学附属高等学校から東京藝術大学、フランクフルト音楽大学卒業。第43回日本音楽コンクール第3位入賞。10年間の渡欧中、1977年ブゾーニ国際コンクール第3位入賞、ヨーロッパ、アメリカをはじめシノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団、N響をはじめ国内外の主要オーケストラと共演。

1994年、長年親交のあるマルタ・アルゲリッチと室内楽フェスティバルを企画し、東京をはじめ各地で成功を収めた。このことを契機に別府市からの委嘱を受けて企画プロデューサーとして、アルゲリッチと共に新しい音楽文化の創造を開始した。子どもたちの心の育成をめざして、2000年9月「おたまじゃくし基金」を設立、現在の「ピノキオコンサート」へとつながった。



アルゲリッチ芸術振興財団

大分県別府市

芸術活動を人間教育のインフラとして、100年先の未来を見据えて2007年3月に設立。マルタ・アルゲリッチ総裁の理念のもと、別府アルゲリッチ音楽祭、ピノキオコンサート、病院訪問コンサート、サロン文化の発信などの、社会貢献活動を実施している。

大林財団について

都市に関する学術研究に対する助成を主に行う公益財団法人。人々に「豊かな生活」をもたらす「都市づくり」の実現のためには、都市の構造、機能、文化や環境は、どうあるべきかについて研究を進めることが必要であり、このためには民間からの重点的な研究支援が不可欠であると考え、大林財団を設立しました。

都市に関する計画、景観、環境、交通システム、都市建築史、都市と文化、都市政策などについての独創的な研究に助成する研究助成事業や、アーティストが都市をテーマに研究・考察する活動を支援する制作助成事業などを行っています。