外環道・東名ジャンクションHランプの本設構造物にノンモルタル工法®を初適用
環境負荷を低減し、脱炭素化に貢献します
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技術・ソリューション
大林組は、東京外かく環状道路 東名ジャンクションHランプ工事(発注者:中日本高速道路株式会社 東京支社)の本設構造物(本線ボックスカルバート躯体)のコンクリート打設において、ノンモルタル工法を初適用しました。ノンモルタル工法は株式会社エコスティックと共同で開発しています。
従来、ポンプ車で圧送を行うコンクリート打設は、配管が詰まることを防ぐためにモルタルを先行材として使うことが一般的です。また、モルタル購入の最小数量は0.5m³(約1t)となることが多く、先送りモルタルとして使用しない分は使うことなく廃棄されています。
一方、ノンモルタル工法は、ハイブリッド配管と圧送整流プラグを組み合わせることで、先送りモルタルを不要にできる技術です。モルタルを使用しないため、産業廃棄物とCO2排出量を削減できます。
今回、東京外かく環状道路 東名ジャンクションHランプ工事において、ノンモルタル工法による本線ボックスカルバート躯体のコンクリート打設を実施。ノンモルタル工法を適用したことで、220.5kgのセメントの廃棄を削減し、CO2排出量削減効果は209.1kgになりました。また、従来工法で必要な細骨材はノンモルタル工法では不要になり、練り混ぜ水も少量で済むことから、資源を無駄にしない、環境に配慮した施工を実現しました。
【本線ボックスカルバート躯体の打設におけるノンモルタル工法適用の効果(※1)】
従来工法 (モルタル0.5m³) |
ノンモルタル工法 (潤滑材11リットル) |
削減量 |
|
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使用するセメント量 (普通ポルトランドセメント) |
235.5kg |
15kg |
220.5kg |
使用する練り混ぜ水量 | 142kg |
6kg |
136kg |
使用する細骨材量 | 743kg |
0kg |
743kg |
先行材によるCO2排出量 | 1:3モルタル 220.5kg |
W/C40%セメントミルク 11.4kg |
209.1kg |
大林組は、構造物のコンクリート打設においてノンモルタル工法を積極的に使用し、建設工事におけるCO2排出量および産業廃棄物を削減することで、カーボンニュートラル実現とともに持続可能なインフラ整備に貢献します。
- ※1 CO2排出量は「コンクリート技術シリーズ44 コンクリートの環境負荷評価(土木学会)」に準拠し、そのほかの諸条件は実際の現場の状況から設定し試算
以上