「丸福樓」と「国立代々木競技場」が第33回BELCA賞を受賞しました
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サステナビリティ
ロングライフビル推進協会が主催する第33回BELCA賞において、大林組が工事に携わった「丸福樓」と「国立代々木競技場」がベストリフォーム部門で受賞しました。
BELCA賞は、長期にわたる適切な維持保全や優れた改修を行った建築物を表彰する制度で、わが国のビルのロングライフ化に寄与することを目的としています。ベストリフォーム部門では、社会的・物理的な状況の変化に対応し、長期使用のビジョンを持って飛躍的な価値向上を図った建築物を表彰しています。
丸福樓
丸福樓(まるふくろう)は、京都発祥の企業・任天堂本社として昭和初期に建てられたもので、創業の地として大切に維持管理されてきた旧社屋などを、ホテルへとコンバージョンした建物です。水平線を強調した外観や和風の建築要素が加味された独特の造形、アールデコ様式のインテリアなど、完成当時から京都を代表する洋館の一つでした。
今回の改修では、歴史的、文化的に価値ある建築として未来に継承するため、耐震補強などを行っています。入念な調査に基づく耐震診断を行い、耐力壁による増強や、耐震スリットの設置により、震度6強以上の地震に対しても安全を確保します。
地球環境への対応では、複層窓ガラスによる断熱性能の向上や空調熱負荷の低減、既存照明をできるだけ再使用しつつも電球をLEDにするなど省エネ化を図っています。
今回の受賞では、職住機能が細長く一列に並ぶ京町家の住まい方を発展させ、昭和初期の趣あるデザインを活かしたホテルとして価値を向上させたことや、建築家・安藤忠雄氏の設計監修による新築棟と融合させたことなどが高く評価されました。
所在地 | 京都府京都市下京区正面通加茂川西入鍵屋町342 | ||
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竣工 | 1933(昭和8)年 旧事務所棟、1931(昭和6)年 旧住居棟、1930(昭和5)年 旧倉庫棟 | ||
改修 | 2022(令和4)年 | ||
建物所有 | 山内 | ||
改修設計 | 安藤忠雄建築研究所、ノム建築設計室、Plan・Do・See、シー・アンド・シー事務所 | ||
改修施工 | 大林組(建築)、きんでん(電気)、新菱冷熱工業(空調・衛生) |
国立代々木競技場
1964年に完成した国立代々木競技場は、建築家の丹下健三氏(意匠)、坪井善勝氏(構造)によって設計された大規模スポーツ施設です。大林組が施工した第二体育館の屋根は、1本の主柱から吊り下げられており、特徴的な外観と流麗な内部空間で構成された戦後モダニズム建築の代表作となっています。
2020年の改修工事では、基礎からスタンド、屋根鉄骨に至る耐震補強工事に加えて、照明や音響、床下空調、トイレの衛生器具を更新し、安全性と利便性を大きく向上させています。
今回の受賞では、「オリジナルへの影響を最小限に抑え、多角的に実施された改修は所期の目的を見事に達成している」と評価されるとともに、「構造的偏心や耐震脆弱性を、現代の解析技術と創意ある補強・修正技術により改修したことは特筆に値する」と称えられました。 なお、改修後の2021年8月には、国の重要文化財に指定されています。
所在地 | 東京都渋谷区 | ||
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竣工 | 1964(昭和39)年 | ||
改修 | 2020(令和2)年 | ||
建物所有 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター | ||
改修設計 | 丹下都市建築設計、久米設計、川口衞構造設計事務所 | ||
改修施工 | 清水建設(第一体育館・第二体育館)、大林組(第二体育館)、三機工業(第一体育館・第二体育館) |