大分県九重町で水素取引を支援する「水素プラットフォーム」の実証試験に協力

川崎重工業に実証試験フィールドとして地熱由来の水素製造サイトを提供

技術・ソリューション

大林組は、大分県九重町で取り組む地熱由来水素利活用事業の水素製造サイトを実証フィールドとして川崎重工業に提供し、水素取引を支援する「水素プラットフォーム」の実証試験に協力しました。

脱炭素社会実現に向けた水素の供給・利用の社会実装が進む中、世界各地にて水素導入のための政策が加速しています。特に欧米では低炭素水素の定義づけや、水素の温室効果ガス(GHG)排出量評価に関する議論が活発化しており、ISOをはじめとして規格化が進められています。 規格化による認証取得が進むことで、企業などの水素利用者にとっても、安心して水素を使うことができ、事業活動の脱炭素化の推進につながります。低炭素水素の認証制度の構築が各国で進められる中、国内には同様の認証制度はまだなく、水素をGHG排出量や炭素集約度(※1)で定量的に評価する制度の構築が急務となっています。

川崎重工業は国内でいち早く2024年4月から水素のGHG排出量や炭素集約度を評価・管理するプラットフォームを構築し実証試験を行っています。今般、同プラットフォームを用いて水素製造などの実設備にて取得したデータを使用したGHG排出量を算定する方法が、水素の炭素集約度算定方法論を示した国際規格(ISO/TS 19870:2023)に則していることを検証し、実証試験を完了しました(※2)。

水素プラットフォーム概念図(赤枠:大林組が協力した部分)

引用:川崎重工業株式会社プレスリリース

大林組は、同実証試験に大分県九重町で取り組む地熱由来水素利活用事業を実証フィールドとして提供することで協力しました。地熱発電でのグリーン水素製造時における電力量、水素製造量などの運転データ提供や、カードル輸送トラックの実走行データ提供、また、それらデータとプラットフォームのデータ連携システム構築への協力など、同実証試験に大きく貢献することができました。

大林組は、今後も水素流通・取引に求められる水素認証の取り組みにも協力し、低炭素水素の普及を推進することで脱炭素社会の実現に貢献します。