2025年度エンジニアリング功労者賞を受賞
-
サステナビリティ
7月22日、第一ホテル東京(東京都港区)で、2025年度「第45回エンジニアリング功労者賞」の表彰式が開催され、大林組は国際貢献部門でバングラデシュ・ジャムナ鉄道橋東工区建設工事が、エンジニアリング振興部門で台北ドーム新築工事が表彰されました。
エンジニアリング功労者賞は、エンジニアリング協会が主催し、エンジニアリング産業の発展に著しく貢献したグループ(チーム)や個人を表彰しています。今年度は18件が選ばれました。
エンジニアリング功労者賞
国際貢献部門
バングラデシュ国 ジャムナ鉄道橋建設工事 東工区チーム
バングラデシュ近隣諸国の経済成長に伴い、輸送ネットワークの効率化を図るため、同国中央部を流れるジャムナ川に、既設の鉄道・道路併用橋と並行して鉄道専用橋・ジャムナ鉄道橋を建設しました。大林組は、東西に2分割されたうちの東側工区6.8kmを担当しました。

着工した2020年はまさにコロナ禍でしたが、リモートによる現地スタッフとの密なコミュニケーションと、徹底した感染拡大防止対策を策定したことで、影響を最小限に抑えて工事をスタートさせました。
軌道工事では、経験豊富な日本の技術者が現地技術者へ技術伝承を行うなど、多くの現地人材を登用。工期半ばに、軌道路線が4線から6線に増線される大がかりな設計変更があったものの、安全・品質管理を徹底し、重大災害を起こすことなく、工期内に工事を完了させました。

厳しい条件のもと、日本の技術を取り入れながら、現地の人的リソースや資材を活用して工期内に完了させた点が高く評価されました。
エンジニアリング振興部門
台北ドーム新築工事プロジェクトチーム

台北ドームは、野球開催時には4万人、コンサート開催時には5万8千人を収容可能な、台湾初の多目的ドーム球場です。台北松山空港の航空制限により建物の高さ制限を受けるため、グラウンドは地下3階 に計画され、さらにその下部には、地下5階まで駐車場が整備されています。1階から地下2階にかけて200m×150mにわたり床がない構造で、地上部は7000個以上の形状の異なる鋼管トラスを組み合わせる複雑な三次元曲面の卵型のドーム球場です。ドーム屋根の二段階リフトアップ工法や特殊構台の開発により、このような特殊な構造を実現しました。


球場全体が地下に設置され、さらにその下部に構造物を有するドーム球場は世界唯一(※1)です。世界に類例のない特殊な構造を持つ台北ドームを完成させたことで、今後のドーム球場や地下大空間の建設における施工技術の発展が期待され、今回の受賞に至りました。
大林組は、これからも技術と知恵を結集したエンジニアリングによって、国内はもとより海外においても安全に安心して暮らせるインフラ整備、街づくりに努め、社会的課題の解決に貢献していきます。
- ※1 自社調べ(2025年7月時点)