千葉・船橋大神宮で家康公を祀る「常磐神社」が上棟

漆塗り極彩色の古式ゆかしき建物を未来へ

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参列者らは工事の安全と神社の繁栄を願い、棟木(むなぎ)を常磐神社上部に引き上げます

参列者らは工事の安全と神社の繁栄を願い、棟木(むなぎ)を常磐神社上部に引き上げます

12月2日、千葉県船橋市で、大林組が工事を担当する意富比(おおひ)神社境内「常磐神社」が上棟し、社寺建築ならではの上棟工匠(こうしょう)式(※1)が執り行われました。

江戸期の随筆『甲子夜話』に「久能山、日光山と並ぶ東照宮」と記された常磐神社。戊辰戦争の際に焼失し、再建された社殿を新たに建て替えます

江戸期の随筆『甲子夜話(かっしやわ)』に「久能山、日光山と並ぶ東照宮」と記された常磐神社。戊辰戦争の際に焼失し、再建された社殿を新たに建て替えます(完成予想図提供:社寺建築研究所)

極彩色を施した木組み

一本一本の部材は手作業で彩色してから木組み。仕上がりの精度だけでなく強さも向上します

船橋大神宮の名で知られる意富比神社は、927(延長5)年、平安中期の格式ある神社を記した『延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)』にも名を連ねており、千年を越える歴史があります。

日本武尊(やまとたけるのみこと)によって奉斎(ほうさい)され、江戸開府の頃には徳川家康から社領を寄進されたことから、家康公、秀忠公も祀られています。家康公没400年を迎えるに当たり、老朽化した常磐神社社殿の建て替えが行われています。

上棟工匠式には、木工事を担当した宮大工棟梁の菊池恭二氏(社寺工舎)や、大林組常務執行役員の鹿島裕一が参列。古式にのっとり三つの儀式(※2)が行われ、今後の工事の安全と神社の安泰を祈りました。

「木造伝統建築の魅力は、なるべく金物を使わずに木の性質を見極めながら造ること」と式典で工匠役を務めた大林組技術者は、建設への意気込みを語りました。

漆や極彩色を柱や彫刻に施す、新たな木造伝統建築の建立は珍しく、技術の伝承の面からも価値あるものです。2015(平成27)年の完成をめざし、工事を進めています。

大林組はこれまで千葉県の成田山新勝寺大本堂総門、富山県の勝興寺瑞龍寺の保存修理など、さまざまな木造伝統建築に携わってきました。これからも先達たちの知恵と技を学び、日本の素晴らしい文化をさらに未来へ伝えるため、建設技術の伝承に努めてまいります。
 

※1 上棟工匠式
木造建築における「区切り」となる棟上げを儀式化したもの

※2 三つの儀式
・棟木(むなぎ)を社殿上部に引き上げる「曳綱(ひきつな)の儀」
・一番高い場所に設置された棟木を木づちで打ち込む「槌打(つちうち)の儀」
・棟木が納まったことを感謝しお餅とお金をまく「撒銭撒餅(さんせんさんべい)の儀」