三陸沿岸の「復興道路」建設現場で地元小学生と稚魚5000匹を放流

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サステナビリティ

「元気に戻ってきて」と呼びかけながらそれぞれが70匹の稚魚を放流

「元気に戻ってきて」と呼びかけながらそれぞれが70匹の稚魚を放流

大林組JVは、岩手県釜石市で三陸沿岸道路・吉浜釜石道路「唐丹(とうに)第2高架橋(仮称)」を建設しています。4月17日、現場の片岸川で、地元唐丹小学校の全校生徒らとサケの稚魚の放流を行いました。

放流した稚魚は片岸川上流のサケふ化場から提供されました

放流した稚魚は片岸川上流のサケふ化場から提供されました

唐丹第2高架橋の現場では、自然水源を守るため工事で発生する泥水を浄水処理しています

唐丹第2高架橋の現場では、自然水源を守るため工事で発生する泥水を浄水処理しています

三陸沿岸道路・吉浜釜石道路

青森県から宮城県までの太平洋沿岸地域を結ぶ三陸沿岸道路(自動車専用道路・359km)は、現在急ピッチで整備が進んでいます。2011年の東日本大震災では、地域の骨格となる幹線道路が人的支援や物資の緊急輸送道路、避難場所としても機能し、副次的に防災機能を発揮しました。このことから政府は、三陸沿岸道路を「復興道路」として事業化し、全線の緊急整備を掲げています。

復興道路の一部である吉浜釜石道路は全長約14km。大林組JVは、そのうちの3km区間において、トンネル3ヵ所、橋りょう2ヵ所を施工しています。

トンネル工事では地質、前方探査「トンネルナビ」での結果を、橋りょう工事では緻密な鉄筋配置の事前チェックをそれぞれCIM(Construction Information Modeling)の3Dモデルに取り込むなど、最新技術を活用しながら安全かつ効率的に工事を進めています。

稚魚の放流は、稚魚を提供する唐丹町漁協が小学校と共に震災前から開催しているもので、震災以降は「復興をめざす人々の姿や思いを知る」ことを趣旨に継続して行っています。

地域の行事に参加して工事の様子を伝えたいと考えた大林組JVは、川沿いの資材置き場を提供。工事の進捗状況を紹介するとともに、児童を川岸まで誘導するなど安全面でのサポートをしながら一緒に稚魚の放流を行いました。今回放流した稚魚は、唐丹湾から太平洋に出て成長し、4年後この片岸川に帰ってくる予定です。

大林組はこれからも、暮らしを支え、命を守るインフラ整備を建設業の責務と考え、復旧・復興関連工事に取り組んでまいります。

10年以内の完成をめざす「復興道路」建設事業

「復興道路」建設事業

国土交通省が東北復興に向けたリーディングプロジェクトとして掲げた復興道路は、東日本大震災から半年後の2011年11月に全線事業化しました。地元や県、市町村の全面的な協力と強い熱意により、通常工事着手まで4年程度かかるところを1年以内に短縮させるなど、整備事業は異例のスピードで進められています。

2020年度(予定)に全線が開通すると、内陸部に比べて格段に悪かった三陸地域間の移動時間は大幅に短縮され、地域間の連携・交流は活発化、交通渋滞も解消されます。また、ルートの95%は津波浸水区域を回避した高台に計画されており、災害時に機能を発揮する道路ネットワークとしても期待されています。