東京スカイツリー® のつくり方

最上部ではタワークレーンにも制振装置

東京スカイツリーの塔体には、揺れを抑えて塔体にかかる力を低減するために、「頂部制振装置」と「心柱」という2つの制振装置が設計されています。

一方、工事期間中のタワークレーンにも、塔体の最上部に設置しているときは「制振ダンパー」が取り付けられています。油の粘性を利用して、衝撃を和らげる装置です。

今回は、その「タワークレーンの制振装置」についてご紹介しましょう。

タワークレーンにも制振装置

タワークレーンの最上段に「制振ダンパー」を設置

第1展望台の屋上に設置されている4基のタワークレーンのうち、鉄骨建て方用の2基は、自立できる高さを超えてからは「ステー」と呼ばれるつなぎ梁で塔体と緊結しています。

ただ、地震などで塔体が揺れるとタワークレーンも大きく揺れてしまいます。その揺れを吸収するのが、タワークレーンの最上段に設置された「制振ダンパー」です。

最上階に制振ダンパーを設置

制振ダンパーで安全性を向上

未知の高さにおける安全対策については、「タワーのつくり方:特別仕様タワークレーン」でお伝えしたとおり、タワー塔体とタワークレーンをモデル化した連成解析モデルで検討し、支柱(マスト)の強度アップなど特別仕様の補強を施しました。

制振ダンパーは、地震や強風による最上部での揺れに備え、さらなる安全確保をめざして検討したものです。

制振ダンパーの効果の検証

制振ダンパーの効果を検証

制振ダンパーを設置することで、タワークレーンの揺れは、揺れの方向によって3分の1から3分の2程度に低減できることが確認できました。

制振ダンパーを設置することで、タワークレーンの揺れは、揺れの方向によって3分の1から3分の2程度に低減できることが確認できました。

未知の高さにおける工事では、通常の安全対策に加えて特別仕様の対策を施しています。仮設のクレーンに制振ダンパーを取り付けることは珍しく、これも特別仕様の一つです。事前に解析や検討を重ねたうえで実用化し、さらなる安全性の向上に努めています。

本ページの内容は、2012年に完成した
東京スカイツリー建設中に公開した情報です。

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